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カメラ越しに見える世界

2019年7月12日。
等々力陸上競技場。

世間的には、早慶クラシコ2019の試合当日。
でもあの日、しれっと私はカメラデビューを果たした。

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栄えある1枚目の写真。
等々力の控室で恐る恐るシャッターを切ったあの瞬間から、私の素人カメラマン人生?が始まった。



それからもう1年以上、多くの写真を撮ってきた。
少しは腕も上がったように感じる。

今となっては、どうしてカメラを始めようと思ったのかも忘れかけてしまった。

ずっと買いたい衝動はあったけど、値も張るから買う勇気が持てなかった。
でも、一種の見栄みたいなものだったかもしれないけど、どうしても早慶戦当日にカメラを持ち込みたくて、早慶戦の2日前くらいに思い切って買いに行ったのを覚えている。
定価9万3000円くらいのカメラを値切って9万いくかいかないかくらいで購入したなあ。
選んだのはNikonのD5600。初心者が始めるにはもってこいの機種。レンズも2本入っててお買い得だった。
NikonかCanonかとは思っていたけど、Nikonにしたのはただ単純に付いてくるズームレンズの焦点距離がNikonの方が長かったから(Nikonが300ミリ、Canonが250ミリ)。
本当に、素人ならではの選び方だった。

どうしてあの時、あれほどカメラを買いたかったんだろう。
結局、チームのためになると思ったからだったっけ。

ア式には専属カメラマンの時田さんがいる。平日は仕事をされていて、週末の試合にだけ足を運んで写真を撮ってくださっている。
あまりにも日常すぎて、普通のように感じてしまうけど、外部のカメラマンの方が毎週末撮影に来てくれるなんて、そんな恵まれていることはないと思う。
時田さんいつもありがとうございます。

カメラ歴はもちろん、腕的にも時田さんの方が圧倒的に上だから、競ったところで勝ち目はなかった。
でも、その領域にあえて飛び込んだ。

平日の練習とかピッチ外の姿とか、時田さんに撮れないものを撮れる自信があったから、カメラを始めたんだと思う。

海外の選手とかは自身のトレーニング中の写真とかをSNSにあげてセルフプロデュースしているけど、同じことを大学スポーツでもできるんじゃないのかなあとは思っていて。高校までと違って大学は思っている以上に閉鎖的な世界だから(スポーツ関係なく)、自分たちから発信しないと自分を知ってもらえない。
カメラを始めた意図はもちろんそういうところにもあります。
今では部員がSNSで写真を載せてくれたり、アイコン画像にしてくれていたりと、割と使ってくれています。嬉しい。もっと使ってくれたらさらに嬉しいなあ。



写真を撮り続ける中で気付いたことがあります。
それは、「日常を記録する」ことの尊さ。
部員は4年間、時にはいろいろなものを犠牲にしてまでして大学サッカーの世界でチャレンジを続けている。
だからこそ、それを知っているからこそ、大学サッカーでの思い出を正当化するというか、「ここに来て良かった」と思ってもらいたい。
部員全員が「大学サッカーの世界で生きている」証を残したかった。
試合に出ている人、出られない人関係なしに。

だから、試合の日じゃなくても、グラウンドにカメラを持ち込んでは撮影を続けているんだと思う。

目の前で起こっている事象はもう二度と起こらないのかもしれない。
そう思うと、自然とシャッターを切っている自分がいた。

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映像だと気付かない、さらっと流してしまいそうな一瞬、一コマを逃さず描写してくれる。
これがカメラの良さかなと。

人の表情、動き。

普段表情をほとんど変えない山下が笑う瞬間とか。
ボールを蹴ったあとロボットみたいになっちゃう北本のキック動作とか。
イケメンのあるむもボールを追いかける時はブサイクになっちゃうこととか。

そういうものも写し出してくれる。



ちょっと箸休めに。

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サムネイルにしようか迷ったけど、これが今まで何千枚と撮影してきた中で1番お気に入りの写真。
ゴールを喜ぶシーンそのものもそうだけど、撮影する角度とかそういうものも全てが完璧だった。指がちょっとブサイクだけど(笑)
あるむがハーフラインぐらいからドリブルで運んでシュートを打つまで、1回もピンボケすることなく写真に収めることができた。
そういう達成感?みたいなものもあったのかもしれない。
でも、これを超える写真は出てきていないかな、現状。

このシーンは、映像で見るよりも、切り取られた写真で見るからこそエモく感じる。


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これもうまく撮れた写真のひとつ。
髪型は置いておいて(笑)
余白のバランスとかもいい感じに収まった。



話を戻します。
写真を始めて感じたこと。

「人を見る力」に磨きがかかったような気がする。

もともと人間観察が好きだった。
これは決して外見をジロジロ見るということではなく、心理的に分析するという意味で。
人のことをよく見ていると、徐々にその人のパーソナル情報が蓄積されていって、次第に今考えていることだったり、次の行動が読めたりすることがある。
その力に磨きがかかった。

人の動きをよく観察していないと、いい写真は撮れないから。
一度逃したシャッターチャンスは二度と返ってこないから。
その人の行動パターンが読めると、いい写真を撮るための最適なポジショニングも自然に取れるようになった。

「人を見る力」に磨きがかかると、カメラ技術以外のところでもプラスの影響が出てきたような気がする。
これまで以上に的確なアドバイスができるようになったし、”内面(心理面)の違和感”(「あれ、いつもと違うな」という感覚)に気付くこともできるようになった。

(これは決して自慢ではないけど、その”内面の違和感”が自分を突き動かしたのが、この対談です。”違和感”を感じて、思い立ってはいられなくなっちゃったんですよね。)


写真の話に戻ります。

私はグラウンドに来たら、とりあえずスタンドの1番上へ。
そこに座ってグラウンドを見回して、面白い瞬間がないか探している。
選手がグラウンドに姿を見せる順番はだいたい決まっているし、練習が始まるまでどこで誰と一緒にいるかもだいたい読める。

人が集まればそれだけ面白いことが起きるし、そこにカメラを向けると自然に面白い一瞬が撮れるんです。
グラウンドをよーく見ていると、面白い瞬間がいっぱい転がっているんですよね。

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決してやらせではありません。
あくまで自然現象的?に起こったものをカメラに収めました。(あくびしていた小倉くん、ごめん)

隠し撮りになってはしまうんだろうけど、「カメラを向けて、はいチーズ」よりも、等身大の部員の姿を写し出せると思っている。

ありのまま。
等身大。

ひとりひとりの人間性が写真からもにじみ出ていて、とても好きです。

そんな写真から、ひとりひとりの魅力を感じ取ってもらいたい。

プレーしている姿を見ているだけでは伝わらない、人間としての魅力。
ここに大きな価値があると思っているし、これを伝えたい。

そのためにも発信を続けます。(現在部員ブログをやっているア式蹴球部のnoteもその目的で立ち上げてます)

実は、個人的に2019年10月から細々と写真用のInstagramをやっておりまして。
気付けば500投稿を超えました。
ただ、意外とフォロワー数が増えないのが悩みです。(笑)
内輪感は拭えないのですが、もしよかったらフォロー&いいね、お願いします🙇‍♂️

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カメラが自分の可能性を広げてくれた。
カメラを通して、部員とコミュニケーションも図れている。


1月中はグラウンドに立ち入ることができず、結局1枚も写真を撮ることができなかった。

新シーズン開幕はもう間もなく。

今年もいい写真をたくさん撮ります。



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