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【カナダ学生ビザ】2023年12月7日カナダ移民局からの発表について

<免責事項>
現時点でのカナダ入国に関する情報は、カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)およびカナダ政府のウェブサイトをご参照ください。

全ての関連ビザによるカナダ入国予定者はカナダ政府の発表と必要事項を理解した上で入国要件の準備を整えている必要があります。ここに記載されている情報は随時変更される可能性があり、ア フォーリーフ海外留学NPOはいかなる不一致に対しても責任を負いません。

※当該和訳は、英文を翻訳したものですので、和訳はあくまでも便宜的なものとして利用し、適宜、英文の原文を参照していただくようお願いします。



何の発表だったのか?

昨年2023年12月7日に "Revised requirments to better protect international students" というタイトルで移民省からの発表がありました。

今まで過去に設定されていた学生ビザ申請要項である「生活費の目安」が約10,000ドルに設定されていましたが、近年の物価高騰や急激なインフレによる影響があり、それに対しての対策を発表するという事でした。当然の事ながら10,000ドルという金額は20年近く前に設定されたもので、あまりにも実態からかけ離れているという事から、急遽2024年1月以降にビザ申請をする学生は新しい資金証明として約2倍である$20,625の資金証明を事前に準備するようにとルールが変わる事となりました。

実際に今まではカナダ移民局のウェブサイトでは必要生活費が1万ドルと記載されている事から、本当にその金額で1年間生活出来ると勘違いしまっていた留学生が実際に現地に来てルームシェアをする事すら出来ない程の家賃高騰に驚き、地域の生活保護等に頼らざるを得ないという現象が起きてしまっているという報道は度々現地カナダのニュースでも取り上げられていました。

ただこういった現地の留学生の声の多くはインド系の留学生である事が大半です。経済成長を遂げたインドでは上流階級だけでなく、中流階級の家庭も留学に出られるようになってきましたが、やはり欧米諸国との物価の差は激しく衝撃を受ける人も多いようです。

幸いながら事前にしっかりとリサーチをする日本人は比較的このような事にならず、またそうなりそうであれば早々と日本に帰国してしまう方が多いと思いますが、全体の留学生の4割以上を占めると言われているインド系留学生の声は大きく、全体の法制度に大きく影響を与えています。

以下、原文の和訳となります。免責事項はこの記事の冒頭にも記載されていますので必ずお読み下さい。

原文の和訳

留学生保護の強化の為の要件改定
ニュースリリース

2023年12月7日 -オタワ-     
カナダは、質の高い教育機関、歓迎される多様な社会、卒業後の就労や永住の機会のおかげで、留学生にとって最高の留学先となっています。留学生は、カナダ全土のキャンパスでの生活や技術革新に貢献している一方で、カナダで勉学に励む中で、適切な住居を見つけるなどの深刻な課題も経験しています。

マーク・ミラー移民・難民・市民権大臣は本日、2024年1月1日から就学許可証申請者の生活費要件を引き上げ、留学生がカナダでの生活に経済的に備えられるようにすると発表しました。今後、この基準額は毎年カナダ統計局が低所得者カットオフ(LICO)を更新する際に調整される事になります。LICOは個人が収入の平均以上の部分を必需品に費やす必要がないことを保証するために必要な最低所得を示します。

就学許可証申請者の生活費要件は、単身申請者の生活費要件が10,000ドルに設定された2000年代初頭から変わっていません。その為、必要な資金が生活費に追いついておらず、カナダに到着してから資金が十分でないことを知る学生が後を絶ちません。2024年からは、申請者1人につき、初年度の授業料と渡航費に加えて、LICOの75%に相当する20,635ドルの資金があることを証明する必要があります。この変更は、2024年1月1日以降に受理される新規就学許可証申請に適用されます。

これは学生の脆弱な学生や搾取される学生の予防に役立つが、この変更による影響は申請者によって異なる可能性があることを認識しています。来年にはパートナーとの協力のもと、カナダで勉学に励む留学生の支援を目的とした新案を試験的に実施する予定です。

本日の発表は2023年10月27日に発表された留学生プログラムの重要な改革に続くもので、留学生に居住環境を含む最高品質のサービスとサポートを提供する教育機関を認定する新たな枠組みの開発に関するものであります。教育機関には学生の居住環境含め十分なサポートを提供できる学生数のみを受け入れることを期待します。

留学生を受け入れるにあたり、私たちには留学生が我が国に到着した際にサポートが受けられるようにする責任があります。2024年9月学期を前に、私たちは、指定教育機関が学業体験の一環として適切かつ十分な学生支援を提供できるよう、ビザの制限を含む必要な措置を講じる用意をしています。この結果を達成するためには、州・準州政府、教育機関、その他の教育関係者と協力し、留学生がカナダで成功するための準備を整えることが不可欠です。

ミラー大臣はまた、2023年末に期限切れとなる留学生に影響する以下の3つの一時的な政策について最新情報を提供しました:

・留学生が授業期間中にキャンパス外で就労できる週20時間制限の免除措置は、2024年4月30日まで延長。すでにカナダに滞在している留学生、および2023年12月7日時点で就学許可証の申請書を提出している申請者は、その時点まで週20時間を超えてキャンパス外で働くことが可能。将来的には、授業が行われている間、留学生の学外での就労時間を週30時間に拡大するなどの選択肢を引き続き検討中。

・2024年9月1日以前に就学を開始する学生を対象に、留学生のオンライン学習時間が就学プログラムの50%未満である限り、将来の卒業後の就労許可証の有効期間に算入する事を認めてきた促進措置は引き続き実施される。
この措置は2024年9月1日以降に就学する学生には適用されない。通信教育円滑化措置はパンデミック時の渡航制限に対応して2020年に初めて実施され、2022年9月に範囲が縮小された。この時点で留学生の大半はカナダで対面で直接学んでいる。

・パンデミックおよびパンデミック後の復興期における労働市場の混乱に対応するため、最初の労働許可証の期限が切れる卒業後の労働許可証保持者に18ヶ月の追加労働許可証を与える一時的な政策が三度にわたって導入された。2023年12月31日までに卒業後の労働許可証の期限が切れる外国人は、引き続き申請資格を有する。しかし、この一時的な政策はこれ以上延長されることはない。

私たちは、留学生がもたらす社会的、文化的、経済的な恩恵を高く評価しており、こうした恩恵を継続させるためには、一部の留学生を脆弱にし、留学プログラムの健全性を脅かしてきた問題に取り組まなければなりません。

長年の懸案であった生活費の基準額の引き上げにより、カナダに到着した留学生は、勉学を始めるにあたり、より強い経済的基盤を持つことになります。

引用
"「留学生は、地域社会に文化的、社会的、経済的に大きな恩恵をもたらしていますが、カナダでの生活を送る上での困難にも直面しています。私たちは、留学生がカナダでの実際の生活費を理解できるよう、生活費の基準額を改定します。この措置は留学生がカナダで成功するための鍵となります。また、留学生が適切な住居を確保できるようなオプションも検討しています。これらの長年の懸案であった変更は、経済的に困窮した状況や経済的搾取から留学生を保護するものです。"

Immigration, Refugees and Citizenship Canada

マーク・ミラー移民大臣について

"モントリオール出身のカナダの政治家。与党である現トルドー政権の自由党(LDP)の議員であり現移民・難民・市民権大臣。カナダの超名門校マギル大学卒。政治家になる前は大手ビジネス法律事務所Stikeman Elliotにて弁護士として働き、歩兵将校としてカナダ陸軍一次予備役予備役としても就いていた。文武や判断力に長ける肉体派弁護士と言ったところかもしれない。"

予備役といえば最近ではハマスのテロ攻撃に対してイスラエルは予備役が直ちに現場に直行し、民兵達の指揮官となって人々を守ったという話も聞かれたように、有事の際に指揮官として動けるというのは大きな信頼感を感じられるような気がします。同時に良い意味でも人々に命令を下すのも得意そうです。

現首相のジャスティン・トルドーとは1980年代、同時期に同じ学校に通っていた事からもトルドーの少年時代の友人と形容される事も多々あるそうです。

カナダは日本と違い、一度法律が可決したら実行に移されるスピードがものすごく速い為、マーク・ミラー大臣の発言に注目しておくと、今後の移民政策や留学生、ワーキングホリデーに関連する法律の改定にもいち早く気付き、対策にもなります。公式Xも確認しておきましょう。

https://twitter.com/MarcMillerVM

Photo by Chris DeSort on Unsplash

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