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イスラエル-ハマス戦争が留学に与える影響とは?

緊迫するイスラエルとハマス、ガザやパレスチナ問題はどのように留学に影響を与えるのでしょうか?

最近のニュースではウクライナから一気に様相が変わり、イスラエルとガザ地区の戦争及び地上戦開始への駆け引き一色です。このような地政学的な緊張が世界各地で影響を及ぼすことは珍しくありません。

筆者自身、忘れもしない911、NYワールドトレードセンターの同時多発テロがあった日、カナダ留学で授業を受けていた私は先生達が泣き崩れ、空港近くにあった学校の空を見た事もない戦闘機や避難してきた路線の飛行機がせわしなく飛び交っていました。

今まで世界でみた事がない何かが起きた時、何が起こるのか?今回の戦争はイスラエルであり、中東である距離感を考えると、米国の911同時発テロ程の直接的な影響はないかもしれません。

しかし、日本からの留学生にとっても、この戦争は様々な面で影響を及ぼす可能性があります。以下では、その主なポイントを考察します。


1.アメリカ国民に対する渡航勧告

<米国政府の渡航情報よりWorldwide Cautionが発令されている>

2023年10月22日頃、米国ではイスラエル軍における対ハマス、ガザ地上戦開始を前にアメリカ国民や米国に利害関係のある人に対して不要不急の渡航制限勧告が出ています。

何故米国が警戒するのか?親米国家である日本ではあまり知られていませんが、世界ではアメリカ嫌いの国や人達は意外にも多く驚く事があります。ワーホリや留学で人気のカナダやオーストラリアでもアメリカ嫌いな人の話を聞く事があります。

その理由のひとつに「他国の戦争に介入するところ」が挙げられます。

イスラエル支援を公に発表している米国人は、各地において特にアラブ系、イスラム系の多い地域においてイスラエル人だけでなく、その背後にいる米国人にも危害が及ぶ可能性があると考えられており、実際にすでに影響を受けている米国人は少なくないと思います。少なくとも、中東やイスラム圏に滞在している米国人は危険を感じている可能性があり、その危険は察知しなければ命に関わる可能性があります。

米軍基地があり英語はアメリカ英語を勉強する日本人は少なくとも親米的である事、また米国に追従する傾向があることも知られており、ひょんな事や勘違いから急に暴力をふられる等の「ヘイトクライム」の被害を受ける可能性がなきにしもありません。

その為、アメリカは国家として、この戦争に自国民が巻き込まれてしまわないように事前に勧告を出しています。それ程、今回のイスラエル紛争は止められないフレーズに入ってきており、米国としてはそれなりのリスクを覚悟しているようにも見えます。日本は離れているといっても、米軍基地があるアジアの本拠地でもあり、経由地でもある為、日本国内においても全くの他人事ではなくなってきている事をひしひしと感じます。

2. 留学先の安全性への懸念

人気の留学先であるカナダやオーストラリアは多くの人種が集まっており、イスラエル人やユダヤ教徒はもちろん、イスラム教徒も多く集まっている人種のるつぼです。(筆者はカナダへ留学しましたが、ホストファミリーと学校の専攻の先生はJewish、いわゆるユダヤ教徒でした。)

実際に住んでみなければ分からない事は多々あるのですが、その中でも重要な点として治安や地域のコミュニティや人種の傾向があげられます。例えば北の区域にはイラン系が多い地域があり、東南にいけばインド人が多い等。

ホームステイが決まった後、又はルームシェアをする際、自分がどこの地域にいて、どのコミュニティが多く存在するのか?しっかりと理解をする事によってトラブルを未然に防ぐ事、危険を察知するスキルを磨く事が出来ます。

日本を一歩出たら、そこは家族や日本政府の力や助けが及ばない、「危険な地域」であり、多くの人の希望や思い、夢が渦巻く場所です。

イスラム教が悪いわけでもなく、ユダヤ教が悪いわけでもありません。だったら誰?と聞かれた時にアメリカが悪いという人達が存在する事も事実です。また日本国としては戦争反対、憲法九条の観点からも比較的パレスチナ寄り(ハマスではなく)の報道が強めであるという現実と米国追従の政府の方針は必ずしも一緒ではない事も理解しなければなりません。

大切な事として「この件について全く知らない、関与しない」という選択は、自分を危険に晒す可能性があるという事です。

3. 紛争地域の理解と双方の視点

留学生は、紛争地域に滞在する際、その地域の文化や歴史を理解する機会を得ることができます。異なる視点や価値観を理解することは、留学の魅力の一つです。しかし、紛争地域周辺や周辺を就航する地域に留学する場合、自身の安全を最優先に考えつつ、異なる視点を尊重し対話を重視することが重要です。

これら山のように入ってくる事前知識は自分の身を守る事になる為、自分なりにしっかりと情報をかみ砕き、解釈する必要があります。いつの日か、その知識が身を助ける日があるかもしれません。

海外はサバイバルでもありますが、いつまでも日本が安心出来る天国のような国とも限りません。いつの日か自分で自分を守らなければならない日が来た時の為に今はしっかりと英語力や生活力を高めましょう。

Photo by Shai Pal on Unsplash


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