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【推しの子】フィクション説が再燃か…?

驚き!桃の木!山椒の木!
どうも、ぶっとびTVのソコツです。

ハイ、とういう冗談半分の自己紹介を挟みつつ今回論じたい内容は『推しの子=フィクション』という、一見元もこもない根本的な発想の展開です。
まるで、物語を八相の型で両断してしまうような卓袱台返しです。

なぜ?そのようなすっとんきょうな八相、もとい発想に至ったかといいますと。
なんと、

《独占》人気漫画【推しの子】が実写化! “アクア役”俳優の極秘ロケ撮、主要キャラのキャスト情報も入手(週刊女性PRIME)
#Yahooニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/37fe65c8a85e2e1561ee27ed21a7e48660b882cc

このタイミングで、『【推しの子】』実写化が動き出しています!!!

配役はざっと以下の通りです。

星野アイ役と想定されている齋藤飛鳥さん
星野アクア役確定の若手実力派俳優櫻井海人さん
星野ルビー役と想定されている齋藤なぎささん


MEMちょ役のあのちゃん
有馬かな役と想定されている若手実力派俳優原菜乃華さん


黒川茜と想定されている若手実力派俳優茅島みずきさん



おそらくイチゴ社長役を想定されている、金子ノブアキさん。


アクア役の櫻井さんが撮影に入っているところ。
赤坂作品の実写化は身構えてしまうもの。

やはり、『かぐや様は告らせたい?』の実写化があぁも無惨な結末を辿ったことを踏まえると、身構えてしまうのも無理もないものだろう。
一言でいえば

『ふ、不安だ…。』

だが、ここで勇み足は良くない。
何事も判断には慎重をきすべきだろう。
あぶないあぶない孔明【赤坂】の罠にかかるところでしたよ。

『推しの子』では作中に漫画の実写化という問題にかなり切り込んでいる。問題点も炙り出し、かつての二の舞を踏まんと言わんばかりにアニメ第二期の根幹を成すテーマとも言える。
ここまで作中で触れているテーマを無視して、表現の陳腐化を図ろうとしているとは思えないのだ。

という前提条件を左に固定して、推しの子という作品そのものに考察をしていきたいと思います。


都合の良い所はきれいに隠す
推しの子の最初のナレーション

推しの子は現在、映画編に突入しておりまさに内容としてもこのタイミングで実写映画を撮影することはなんらかの意味があるような気もしないでもない。

この漫画はよく、入れ子表現を多用している。
漫画内舞台、映画、ドラマなどがそれに当たりますね。
そして漫画内においてもたくさんのフィクション要素があります。
あえていえば、『カミキヒカル』『転生』『茜のプロファイル能力』『片寄ゆら』『ツクヨミ』
などフィクションがうまく隠れている。

そして、物語の終盤でこのフィクションは必ず回収される。
のだが、今なおその兆しが微かに見えてこない。
ツクヨミを現実に持ってきて、映画に出演させるという力業から分かるように寧ろ、フィクションより現実に肉薄している。

そもそも転生という事実を受けいれて、二度目の人生を経験するのもかなりの異常事態。
なのだが、母親と推しの殺害を前にして無情な現実に引き戻されているのだ。

普通なら美人妹とのニアミスドギマギイベントや、幼馴染みと再開イベント、助けたあの子が確変イベントなど、いくらでもラブコメ要素に持っていけるのだが決してそんな生易しくは無い。
母親を殺害されている以上、安眠は得られない。
残酷な現実がこの作品のフィクション要素を覆い隠しているのだが、そもそもフィクション宣言されている以上深追いするのも少し妙ではある。そもそも推しの子での最終地点は、復讐の完遂であり転生の事実を深掘りすることではない。

そして『復讐の方法』こそがこの物語の最も盛り上がる極致であり、最高のエンターテイメントである。

復讐の完遂こそ最も盛り上がる

では、ここまで手の込んだ仕掛けをしている推しの子で映画だけが復讐の手段となりうるだろうか?

もっと具体的に言えば『カミキヒカル』という男を精神の根底から屈服させるために、『15年の嘘』で『星野アイ』というキャラクターの半世を公表するのだが、現在の原作の状況を見ていると『アクア』や『五反田監督』はアイというキャラクターを完全に掴めている訳ではない。
その口振りから言うに、アクアはアイの見えていない部分は脚本に乗せていないのだ。
例えばアイが一人、隠れて泣き崩れているシーンとかは断じて映画には無いようだ。

これでは星野アイを完全に撮ったということになるのだろうか?
ならないでしょう。寧ろこの作品を俯瞰している我々の方が星野アイというキャラクターを掴めている。これではカミキヒカルどころか、天国のアイすらも『なんじゃこりゃ』と言っちゃうそうな気もしませんかね。

アクアはこの作品に妹や今までの出会いで培ってきたような人脈を全て利用している。手綱を握ってはいるものの、ムチを叩くのは馬自身のようなドライとも言える無責任さすらある。
この程度の知見で『星野アイ』を上手く表現できるのだろうか?
自分のいたらなさすらも、有馬かなや黒川茜に補完させていると言えば聞こえは良いが、綱渡りとも言える。

『15年の嘘』は星野アイとカミキヒカル、それを取り巻く世界の映画。
それを放映したぐらいで復讐など完遂するのだろうか?
アクア曰く、『演じることは復讐』。
カミキヒカルを演じることで、自分の父親のすべてをさらけ出し社会的な地位や名誉も地に落とすというシンプルなプランだろう。
だが、実際生ぬるい。 母親を殺されたアクアがそれで済ませるとは考えられない。
アクアの闇落ちっぷりから察するに、ハンムラビ法典でもって復讐したいのが見て取れる。

そもそも『サイコパス』とは共感性の欠如が起こす脳の病気でもあるため、カミキヒカルから居場所を無くすだけではダメージはさほど無いように思う。
名前や顔を変えて姿を眩まされてしまえば、どうとでもなるのだ。【実際に変装をしている】

重要なのは、カミキヒカルの精神の琴線に触れること。であれば選択肢は二つに絞られる。

① カミキヒカルが星野アイに執着している場合

このパターンは、カミキヒカルが星野アイに異常な執着をしている場合に限られる。
これは沢山の考察者様がされているように、星野アイはカミキヒカルの特別な何か説、星野アイ妹だとわかった説、カミキヒカルヤリチン改心説など様々ではある。

電話が来た途端に寄りを戻したいという、引きずっている様子のカミキさん

この説が有効であれば、『星野アイ』が『カミキヒカル』のことを実は好きでしたという『説得力』があれば、カミキヒカルを絶望の淵に落とせるかもしれない。
ミステリの定石でも、殺した相手が実は自分のことを好きでしたみたいな裏切りは良くある。

②カミキヒカルを懐柔させ、それから裏切る場合

カミキヒカルが子供を放置している、もしくは子供に近しい人物に対して傍観者を決め込みつつも意思を出しているのが見て取れる。

ルビーの墓参りについて回ったり、アクアの彼女である茜に花を出したり、姫川がララライにいる現状を踏まえるとカミキヒカルの意思を感じる部分は大いにある。カミキヒカルは星野アイと同じように家族に執着している。
星野アイや姫川母親には理解されなかった代わりに、自分の子供には理解されたいと思っているのだろうか?であればそれが弱みともなりうる。

そしてそれにも『説得力』が必要になる。

ーーーーーー

つまりは、『復讐の方法』には漫画を飛び出す説得力が必要になるのだ。
そしてようやく戻ってきましたと言わんばかりに、このタイミングでの『実写映画』には『説得力』がある。

前作『かぐや様は告らせたい?』でも分かるように、実写化というのは多くの層に作品を浸透させる手段として活用される。
しかし、推しの子は既に漫画としては今一番勢いのある作品とも言えるだろう。
推しの子は俯瞰している我々にとっては最高のエンタメ作品ではあるが、復讐の方法としてサイコパスを断罪できるほどの説得力を持たせられるかは疑問があるし、フィクションの回収に重きを置く必要性も感じられない。

赤坂アカ先生は【推しの子】の実写映画を原作とした漫画である『【推しの子】』を描いているとすれば、そういったフィクションの補完ができないだろうか?

は~い意味不~解散!と心が離れてしまう前に、推しの子にはまだまだ謎がある…。
『第1章』と『第8章』のことです。
プロローグが終わった後に始まる第二章と第七章のスキャンダル編が終わった後に始まる第九章の間の章ですね。これを実写映画で補完して、別角度の推しの子をしましょう。という考えがあるのではないでしょうか?
近年でいえば、『THE FIRST SLAMDUNK』でもそんな感じでした。

クリエイターが二人でひとつの作品を作ると、かなり尖った作品になりがちというのは推しの子内で言及されていますが、もしもこのような筋書きであればかなり尖った作品になります。

しかしこれもまた孔明の罠、考えれば考えるほど勇み足を踏むような現状という認識で構わないでしょう。
それがどんでん返しというものでもありますからね…。


赤坂ァァァア!


さんをつけろよぉ!【原作では言って無い奴~】

さて、ここに来て漏れだした『【推しの子】』実写化という三文字。
『【】』の二重カッコの意味は、二重の入れ子説をかねてから提唱していましたが…点と点とは勝手に繋げてしまうものですね。

皆さん『かぐや様は告らせたい?』の二の舞になるか、『【推しの子】』には意味があるのか、薄い希望を胸に抱き考察ライフを送りましょう。

ではでは…。

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