見出し画像

まちは動詞で評価する

毎週水曜の早朝(7〜8時)にやっている、文化雑談会「トーキョーアーツのれん会」の話題を共有するnoteです。先週(2018/6/13)の話題から。

〔前回ののれん会では...〕

大学院で行政学を専攻している熊田さんから、文化行政についての違和感について話題がでました。
文化行政のあり方
- 常に政策上の二番目のレイヤーに入っている現状だが、そこに法的根拠はない
- 文化行政には、他の政策分野に存在するいろいろなものが足りていない。
- 箱物中心に進んできたこととも関係があるかもしれないし、とにかく、行政で担当になった人が、着任挨拶で「文化は素人でして」というのも(たとえば、福祉や教育行政と比べると)ありえない。(今でもたまに出会います、そういう人)

◎同じく、熊田さんが昨年リサーチで訪れた、霧島国際音楽祭では、市の職員は3年位で異動してしまうのだが、小さい頃からずっと見ていたイベントなので馴染みがある、と言っていたのが印象的だったと。担当じゃなくても、自分でチケット買って聴きにいくんです。なんていう人が多い感じがした。その後、霧島国際音楽祭ホールができた。ただ、ジェスク音楽文化振興会 (JAPAN ARTS) が仕切っているのが気になる。

▼霧島国際音楽祭(今年は7/19-8/5)
http://bit.ly/kirishimafest

▼ジェスク音楽文化振興会
http://bit.ly/jescfoundation

◎音楽祭といえば、「ラ・フォル・ジュルネ」が有名だけど、東京、金沢、新潟、びわ湖、鳥栖などでライセンスビジネスとして展開していることについても話しました。西洋ブランドの輸入ばかりでいいのか?というような話として。
▼ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
http://bit.ly/lfjjp
(そういえば、このメインビジュアルのバイオリンの持ち方が話題になってましたね)

◎近年は、かつて箱物に使われていたお金が、今は(フェスティバルの)ライセンス料や、自治体PR動画のテンプレ(オリジナルではなく、どんな自治体でも使いまわしできるような映像集があるそうで、それと独自ロケのものを組み合わせて作るようなもの)を代理店から買い取ることなどにお金が流れていて、結局おなじようなお金の使われ方がしている。第二の箱物行政的なことになっているという指摘も、なるほどな、と思いました。
そういえば、施設の広報誌も、そういうテンプレがありますね。(この施設規模で、こんな有名人のコラムやインタビューが掲載できるの?なんていうときは、使い回しのテンプレートの可能性が高いです)

◎こんなふうに、地域性を欠いた経営を続けるうちに、存在価値が落ちる公立施設も多い。
自治体をまたいで文化施設の統廃合(あるいは共同利用)ということもあるだろうという話題から、自治体の比較的新しい取り組みとして、連携中枢都市圏構想の話題。
▼連携中枢都市圏構想
http://bit.ly/renkeichusu

◎その他、下北沢の再開発や、今後進む、京成立石や三軒茶屋の三角地帯、新橋駅前などの大規模再開発の話題が出て、こんなことを続けるうち、もう東京も全然面白くなくなるね、という話題が出ました。
一方、大阪、法善寺横丁のまちづくりや、LIFULL HOME’S 総研の出したレポート「Sensuous City[官能都市]」というレポートがデベロッパー業界にもインパクトを与えていること、などが希望だと話し合いました。

◎横丁を東西に抜ける幅員約 2.6mの道路(建築基準法第 42 条第 2 項の道路)を確保することを含めたまちなみの再現を前提に、建築基準法に基づく道路を廃道するとともに、この通路に面する敷地すべてをひとつの敷地とする「連担建築物設計制度」を適用
▼法善寺横丁の復興(PDF)
http://bit.ly/hozenji

◎都市をハード的な快適さ―病院のベッド数とか、一人あたり公園面積 etc.ではなく、都市住人のアクティビティに主眼を置き、身体性や関係性という感覚を示す動詞で評価
▼Sensuous City[官能都市] ―身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング
http://bit.ly/sensuouscity

2018.6.13 @両国門天ホール 6名参加

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?