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万博への手紙

前回の大阪万博の時、僕は6歳でした。

町中の至る所で、「こんにちはこんにちは」という三波春夫の歌声が溢れかえり、
子供心に、素晴らしい未来が待っているという期待感に胸を膨らませたことを覚えています。

テクノロジーの発達で全てがうまくいくという希望に溢れていました。

しかし、今の状況は全く違います。

テクノロジーの全能性は否定され、鬱の人間は溢れ、
自分の心を自分で処理することのできない人間は悪者探しに熱中し、
ひどい時には火をかけ、銃を作って人を殺していく。

生存実感を持てない人間の集団に日本は成り下がってしまった

2008年から、今まで、被災地の小学生から大臣クラスまで一万人以上のインタビューを行ってきました。

その結果、日本の抱える課題は、以下の図に示したように、三つの構造に大別されると考えるようになりました。

自己中心性の回復:「行儀が悪い」「ちゃんとしなさい」という言葉は自分の中にしっかりとした中心感を育てなさいということど同義です。
身体感覚の世界には文法と呼べるようなものがあり、それを先人たちが、発見し、分別し、体系化しながら日本文化を形成してきました。
マインドフルネスをありがたがっている暇があったら、先人たちの偉業に対して、新しい視座を持ち、それを世界を救う日本文化として発信していく必要があるとか考えます。

創造性の解放:答えのない時代のサバイバーを本気で育成するためには、人間の無意識を支配する「知覚」の領域を活性化させる必要があります。
僕は映画の研究から、同時に処理する言語を増やすことで脳を活性化させることができ、創造性が高まるということを発見しました。
音声、画像、文字を同時に処理することが、映像編集ソフト上では可能です。この技法をホストタウンで子供たちに実践したら、彼らの感覚が進化しました。
そろそろ「優秀な人間」の定義を変える必要があると思います。

関係性の再構築:核家族化や産業構造の変化が、自然状態では相互連絡性の高い集団を形成できない状況を日本の地域にもたらしている。子供たちは、地域の「埋没資産」に触れることなく、都市部に移動していってしまう。ホストタウン事業で、子供たちに認知開発®︎手法を使い、地域の取材をさせることで、大人と子供の世界の繋ぎ直しを進めることができ、お互いよく知っているという関係を生み出し、地域の埋没資産に子供たちも大人たちも気づき、地域の持つ可能性が大きく膨らんだという事実を目の当たりにしました。

未来は過去と現在の繋ぎ方で決まるということは、スティーブ・ジョブズも言っていましたが、日本の過去のレガシーに新しいアプローチを行うことで、1970年の万博以上に、期待と希望を日本国民や世界の人たちにもたらすことができるのではないでしょうか。

機運情勢とは、希望を示し期待に胸を膨らませることを意味すると個人的には思います。


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