僕の仕事のミッションは、日本をイノベーション大国にして元気にすることだ。そのためには、スタートアップや起業家を増やしていく必要があって、中長期的には、教育改革だって必要だと思っている。

先日、とあるシンポジウムに参加した時にある企業の執行役員の方がおっしゃっていた印象的だったのが、保守大国であったフランスは"今の日本"と同じく、優秀な大学を卒業した学生のメインストリームは、官僚や大企業で働くことだったが、国が教育や社会の仕組みを抜本的に変えた結果、たった５年間で起業家大国に見事変わったという興味深い話を聞いた。

日本の教育は、日本のように人口が多い国かつ工業大国だった時代においては、うまく機能していたと思う。だけど、デジタル時代が到来して、教育をとりまく環境は一気に変わってしまった。車よりも携帯電話の方が重要な世の中になり、情報通信インフラは物理的なインフラよりも重要になってしまったのだ。

だが、教育はいまだに物理的なインフラに関することばかりに時間を割いていて、その結果、社会にとって有益ではない大人を大量生産している構造が存在している。

だから、日本もフランスのように起業家がたくさん輩出される、そんな起業家大国に生まれ変わったら、素敵だし、世の中が少しずつ変わっていくのではないかと密かに期待している。

起業家マインドを育むアントレプレナーシップ教育を義務教育段階から導入する、そんなことが必要な時代にではないだろうか。