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"にんげん"にはできることとできないことがある。

ドタバタした入稿から1週間と少し…
想定よりずっと早く本が届きました!

今回はPrintWalkさんにお頼みしました。
本当にご丁寧に対応していただき、感謝しかないです。中身も綺麗に刷り上がっています。まだお見せすることはできませんが。

本ができたなら次に行うのは……そう、製本です!!

しかし、代表以外が製本を知らない!!!!


ということで、毎度のことながら先生の元へ。
今回(も)、先生自ら進言してくださいました。毎度のことながら頭が上がりません。

本日はCも連れて事務所へ。
寒風の中事務所へと向かうと、いつもの素敵空間にしっかりと製本の準備がしてありました。まだ午前中にも関わらず……とてもありがたい。

代表による小口染めがされた本を取り出すと、真っ先に中を見る先生。

「良いですね…中はどうなって?あっなるほど、こういうインクが!」

と嬉しい反応。ルーペまで出て来ました。報われた……


それはさておき。製本に取り掛かっていきます。

まず、見返しとなるA4の羊皮紙(あい) を折っていきます。

ノリと勢いで加工してしまったので、今日はフィルム風でお送りします。
深い意味はないです。

次に、本についている白い表紙をゆっくり剥がしていきます。並製本から上製本に生まれ変わらせるためです。


おや?なんだか隣で私を見ている代表の顔が不安げです。


「手付きが怪しい…」



それもそのハズ。私は壊滅的な不器用です。事前にボール紙ももらっていたのですが、カッターがうまく扱えずそちらの断面もガタガタ。ただA4の紙をただ折る作業すら、手の震えが止まらず周りにこれで大丈夫か聞きまくる始末。
すべてのてつきにふあんがある! というか一挙手一投足が人々に不安を与えています。

すると、先生が何かを思い出したように事務所の棚へ。

不思議に思っている私の前に現れたのは、一つのクリアホルダー。中を見ると今まさに行っている製本の作業が、可愛い字で説明されています。聞くところによると、先生の娘さんが小学生のときに行った自由研究なのだとか。か、可愛い〜〜ッッ!

「うちの娘もできたので、大丈夫です!」

優しく笑う先生。
なら大丈夫かぁ!とはならないのが真の不器用の辛いところ。
その後も、小学5年生より手指が動かない私の苦闘は続きます。

先ほど折った見返しを、ボンドを使って本にしっかり接着します。


見返しを接着した後は、寒冷紗・切った花布(はなぎれ)・スピンを接着。

刷毛を用いて塗っていきます。

次に、表紙を作る作業です。

本に合わせて切ったボール紙を、クロス布と合体させていきます。ボール紙をあて、採寸を取りながらクロスを切っていきます。
クロスをしっかり手で抑え、上から体重をかけると切りやすいです(世間の常識)。なぜか私のクロスは切れないのですが(無機物への責任転嫁)。

今日の写真は代表が撮ってくれました。その中でも定規の反射が美しいこの写真が、私的一番のお気に入りです。

ボール紙にボンドを塗り広げ、接着!本来は歪み防止のため、ここで重しを載せたりなどして放置する方が良いそうです。
クロスの四隅を切ったら…端にボンドを塗り広げ、中にクロスを折り込んでいきます。

ボンドは内から外へと塗り広げ、縁まで塗ることを心がけます。
折り込まれた表紙。

この時点で、横に座っている代表に「普段は手綱を握られる方だから、逆のようで嬉しい」と3回くらい言われています。悔しいですが反論できません。

最後に、作った表紙と本を合体させます。
ここまでも難しいのですが、ここからは直接出来栄えに関係してしまうので特に難しいところになります。

まずクロスの溝にボンドを塗り、本を置いて表紙を被せます。このとき、本が動かないようにしっかり手で押さえます。
そうしたら、本を立てて中にググッと本を入れ込みます。

ここの作業が甘いと、見返しが汚くなってしまいます(実体験)

表紙の溝の部分はミソです。しっかりと親指で入れ込んだ後に竹ひごを用いて固定します。

この溝を入れると一気に「本」感が出ます。

少し放置して…

重い(おもい)


完成…!

なんとか完成しましたが、案の定慣れない作業。歪みが大きいです。見返しはきっちり揃っていない上に、手で触ればガタガタな切り口が一発でわかります。
しかし、青い中で赤のスピンが光る本は美しく、完成できた嬉しさが改めて身に染みて感じられました。家に帰って家族に見せると大好評。母親が私の本を奪おうとして大変でした。あげません。

これでもすでに美しい…ですが、ここに銀色の箔押しが入れば尚のこと綺麗な本になるはず。完成が待ち遠しいです。






追記:

これが1ヶ月前の出来事です。1ヶ月が早い!!!!!!

色々忙しくて更新が後手後手に回りました(クズ)。ここでは、先んじて製本の工程を全て確認しましたが、箔押しの都合があったので、今回は先んじて表紙を全ての冊数分完成させました。終了済みという事実。

今回箔押しは真美堂さんにお願いしています。こちらもプリントウォークさん同様、非常に親切な対応をしてくださいました。感謝です。
もともと私たちの活動をご存知だったようで、背中も押してくださいました。嬉しい……本当にさまざまな方に支えていただいております。

ちなみに

表紙は3人で分担して作ったのですが、私の作ったものでOKマークが出たのは一つだけでした。

愛を下さい。

小間使いA


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