【創作詩】来たるべき死の為に
アルバムが戸棚の奥に
開かれもせず眠る日が
どれほど満ちていた事か
あの人がくれた些細なメモや
母が名前を入れたノートを
捨てられるようになった日に
私は“こども”を辞めました
夜を目指して静まる空に
月を追いかけ続ける星に
液晶の前で溺れる闇に
何も成せずに迎える朝に
見知った影が西日に揺れる
古びたポットを火にかけながら
私好みの味を知ってる
見知った影が西日を揺らす
暗いバルコニーで船を漕ぐ
私の ゆめの 隙間で
憎しみとは、忘れた頃に
善人の顔で迎えにくると