この10年を自分のために使えなかった。

という、どうしようもない気持ちがある。

厄年がどうしようもない厄年で
こんなんだったら海外で荒波に飲まれよう

そう決心して、前に踏み出したら、
国境が閉じた。

それからの時間。
定め通り、また厄年。

後遺症になっても、「なんで自分が」
と思えなかった。

何処かでそうなると、
ずっと予感していた。

もう後には戻れない。

そんな道が増えていく。

子供は好きじゃない。

でも産んだ覚えのない
大きな子供の相手をするために
生まれてきたわけじゃない。

このまま死んでいくのか？

そんなの嫌だ。

絶対に嫌だ。

人生の残り時間は、
どれだけあるのだろう？

それを考える。

なんのために生きれば良いだろう。

それを考える。

昨秋、子供の頃からずっと見ていた
ヒーローのひとりが亡くなった。

今でも信じられないから、
時々しか直視しない。

この人生、意外と短いのかもしれない。

何度も思いついたことのある
そんな考えが急にリアリティを帯びた。

ここから何処へ行けば良いだろう。

方角は、なんとなく知っている。
ここが人生、折り返し。

肉体は、力なく脱力して、
メリーゴーランドに縛り付けられている。

それでも夢見るのが
人間か。

Reroute
自分の信じるもののために、
人生折り返そう