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時間的光理論(Temporal Light Theory)

1.光速度不変の原理とは?

観測者の系で伝わる光速は、(異なる系の)光源の運動に関係なく不変である。

まず指摘しておかなければならない点は、『光速度不変の原理』が、(しばしば誤解されるように)「運動している観測者から見ても光は同じ速さで伝わる」と主張するものではないことである。原論文にはっきりと記されているように、この原理は、光速が「光源の運動に無関係」だと言っているのであって、「観測者」の運動状態については全く触れていないのだ。アインシュタインのロジックの構成を理解する上で、この点はきわめて重要である。

(2022/02/28) 科学の回廊 光速度不変性の原理の地位より

これが光速度不変の原理で、特殊相対論の原理の一つ。 もう一つの原理は、相対性原理で、「全ての慣性座標系は等価である」は、相対性原理の実現のための手段は等価原理に依存することを言っている。

2.階層性な等価原理の要請

そして、多くの物理学者は、自然界には美しい一連の法則性が存在しなければならないと考えており、美しさを定量化する1つの方法は対称性であると考えています。しかし、今回私達は、量子力学と重力が統一されている最も基本的なレベルの自然の法則では、対称性が保たれないことを明らかにしました。つまり、物理学者達が抱いてきた対称性に対する信念が間違っていることを示したのです」と述べています。

(2022/02/28) Kavli IPMU 量子重力には対称性はない ― 大栗機構長らが証明より

ガリレイ不変性は、量子重力でなくても階層構造の世界で物理法則に不変性が現れる不思議を原理にしたもので、それにガリレオの等価原理を要請すると、

弱い等価原理 (Weak equivalence principle, WEP) は、自由落下の一般性 (the universality of free fall) としても知られている。

(2022/03/10) Wikipedia 等価原理より

これはニュートン力学の「重力質量(m₉=E/c²)のエネルギーの大きさや増減と、運動による慣性質量(mi=γ・m₉)のスケール変化とは無関係である」と訳することができる。またこれに
・アインシュタインの相対性理論の光速度基準系(光速度不変の原理)と
・ひゃまの階層性な等価原理
光の運動量の等価原理は、相対論的質量 mr=γ・m₀ ➔ mi=γ・m₉)を
要請し定式化すると、スケール変換による相対性理論になります。

スケールファクター γ=mi/m₉=c/w=c/√(c²±v²)=1/√(1±v²/c²) .

相対運動 ±v²=w²ーc², +の場合は後退速度,-の場合は前進速度.

「観測者」が運動(1:多で相対的な位置の変化)する場合、(異なる系の)光源の相対速度v₊(後退速度は実際は計量自体の拡大速度)が光速度cに加算される。

系間の光速変化 w₊²=c²+v₊², 光速度不変 c=√(w₊²ーv₊²)=γ₊w₊ .

光速が一定な対象系 ⇒スケール変換⇒ 光速度不変な観測系.

だから特殊相対論におけるアインシュタイン同期(英語版)によるローレンツ不変性はあくまでも、光速度不変と相対性原理を説明する手段の一つ(数学でいう公理)に過ぎず、

Clock synchronization, a universal light speed, and the terrestrial redshift experiment
Alan Macdonald Department of Mathematics Luther College, Decorah, IA 52101, U.S.A. macdonal@luther.edu Am. J. Phys. 51, 795 (1983)
要約 この論文は、(i)慣性格子の時計を同期させるために必要かつ十分な条件を示し、(ii)これらの条件が普遍的な光速を意味しないことを示し、(iii)地上 赤方偏移実験は、重力場の小さな慣性格子の時計を同期させることができるという証拠を提供します。

Am. J. Phys. 51, 795 (1983)より

これでは自身の16歳の疑問を解決できていないので、アインシュタインにとっては“to be continued”である。

3.対称性と等価原理を要請の間違い

「ローレンツ不変」と「ローレンツ対称性」は同じではありません。

5)「ローレンツ不変」と「ローレンツ対称性」は同じ意味ですか? *解答:同じです

広島大学他 ガンマ線バースト天体の観測によりアインシュタイン相対性理論の適用限界に挑戦より

ローレンツ不変性は手段であって、天才アインシュタインがいう原理ではないが、凡才の他の学者たち(数学的に相対性理論を理解したという人は大体これに陥っている)が他の原理に挿げ替えてしまっている。

自然現象→物理法則(=理論)→対称性」という流れを逆転して,「ある対称性を持つ様に理論を作ってみよ」(そしてそれを自然現象に適用してみよ)という試みが行われる様になりました。皆さんはアインシュタインの相対性理論という名前を聞いた事があるでしょう。アインシュタインは,ロ-レンツ変換 の下での対称性と光速度不変の原理を要請する事で特殊相対理論を作り出しました。これは時間と空間の概念を一変する革命的な理論でした。アインシュタインは更に,一般座標変換の下での対称性と等価原理を要請して一般相対性理論という重力の理論を構築しています。素粒子物理を記述する理論は,ゲ-ジ変換の下での対称性を要請して得られるゲ-ジ理論というものです。この様に対称性は理論構築の際の指導原理として用いる事ができます。

(2022/02/28) 信州大学 理学部 研究紹介- 物理と対称性-より

対称性理論では自発的対称性の破れというが、超光速相対論では時間の流れを逆転しないで、素直に各階層においてスケール変換により不変性が生成「自然現象→物理法則(=理論)→不変性」される。

4.反相対論とアインシュタインの憂い

アインシュタインは一般相対性理論構築後も宇宙項の取り扱い方を迷走している。

宇宙項の存在しないモデルが主流になった理由は2つある。
1.宇宙項の係数である宇宙定数(cosmological constant)λは、観測データによってきわめて小さいことが示される14)
2.宇宙項が存在しない方が、基礎方程式が多くの対称性を持つことになって数学的に美しく、また、宇宙の大局的な振舞いに関する計算も容易になる。 
宇宙項への理論的な関心が再び高まるのは、1979年にノーベル賞受賞講演でワインバーグが、素粒子論と一般相対論を結びつけると宇宙項が存在する方が自然であり、なぜ宇宙項が小さい値になるかを研究すべきだと示唆してからである15)

(2022/03/11) 吉田 伸夫 アインシュタインはなぜ宇宙項を導入したか?より

また一般相対論と量子論が融合しないのは、物理学者達が抱いてきた対称性に対する信念が間違っている。

大正の反相対論者・土井不曇の不満も主に、「観測者」が運動した場合の光速度不変と相対性原理の一貫性についてであるので、この説明で満足して貰えると思う。

以上、反相対論者が反論する内容は、後年のアインシュタインの憂いでもあったという話です。


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