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英国式ブラスバンド界隈で思うこと

英国式ブラスバンドといちいち打つのはめんどくさいので、以下ブラスバンドと書く。
Twitterを見ていると、某作曲家などが吹奏楽をブラスバンドと書いて、ブラスバンド界隈の人々から区別しろ、と言われているようなツイートがTLに流れてきた。
プロであったり、音楽で食っている人たちが吹奏楽とブラスバンドとを区別できないのは確かに反発されても仕方のないように思える。
ブラスバンドでしか演奏していない私も思うところはあるし、実際ブラスバンドと名乗っていて、吹奏楽と勘違いされて木管吹きに見学したいと言われたり、ジャズバンドだと思われたりなどいろいろ経験した。まあブラスバンドにはアメリカのニューオーリンズスタイルブラスバンドの意味も入っているわけだし
そういう意味ではまだ比較的マイナーなブラスバンドは、吹奏楽と混同されると不便だったりする。
けど、ただ純粋に音楽が好きだったり、そもそもあまり興味ないひとからしたら、ブラスバンドと吹奏楽は違うよ!というのは正直どちらでもいいと思われても仕方ない。そんな呼び方云々の話は今更。明治からブラスバンドて言われてるんだもの。大正だっけ?

そんなことよりも、ブラスバンド界隈のブラスバンドのHPを見ると歴史が書いてあることが多い。で、大体の文章は同じようなことが書かれている。

「始まりは、救世軍が募金活動のために演奏していた小規模のバンドと言われています。その後、19世紀中頃から炭坑で働く人の息抜きなどのために結成されたブラスバンドが各地に普及し、発展していきました。」

いやいや、救世軍バンドの果たした役割は大きいものの、始まりではないでしょうと。
初めての継続的なブラスバンドのコンテストは1853年のベルヴューコンテスト(初めてのコンテストは1830年代という記録もある)。
救世軍ができたのは1865年。逆やろ。
イギリスの労働者階級を主なターゲットに、禁酒運動のレジャーレクリエーションの一部として1810年代から作られた市民楽団。もともとはクラリネットなど木管楽器もいたが、1845年にサクソルンが開発されて、1851年のロンドン万博で人気が出てイギリスの市民楽団に取り入れられてブラスバンドになっていった。
という歴史がちゃんとあるし、少し調べればわかるにも関わらず、未だにブラスバンド界隈で流布される歴史には間違ったことが書かれている。そっちのほうが問題でしょうよ。

もう日本ではブラスバンド=吹奏楽ブラバンなのはすぐには変えられないし、少しずつ変えていくしかない。
けれども歴史についてはすでに確定してるのだから、、、
広めるのは正しい歴史をどうぞ。
国会図書館行ったり、取り寄せれば日本語で書かれたブラスバンドの論文もある。イギリスにもスイスにもブラスバンドについて書かれた論文も本もある。

てか表紙につけたパブリックドメインのブラスバンドの写真なんか違う。

どうか楽しいブラスバンドライフを!

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