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6年前の記憶~熊本地震

4月13日、熊本市では小学校の入学式が挙行されました。事務所に向かう途中、親に手を引かれて初めて登校するピカピカの1年生を見かけました。そして翌14日は忘れられない日——6年前の21時26分に熊本地震の前震が襲いました。地元紙の調査では「風化を感じる」と答えた被災者が5割近いとの調査結果も。前述した新入生が生まれた年ですから、この歳月は決して短くはありません。

最近も全国各地で地震が発生しています。3月には、熊本地震と同じレベルといえる震度6強もの揺れが東北地方を襲いました。緊急速報では「ここ数日は、同程度からさらに強い揺れが発生する可能性があるため警戒を」と呼びかけていました。熊本地震の教訓です。約28時間後には震度7というもっと強烈な地震が襲ったのです。余震との言葉は適当ではなく、14日を前震、16日を本震と呼ぶようになりました。

6回目を数える14日の朝は、少し強い雨が降っていました。雨音で目が覚めたのは久しぶりのこと。6年前、前震、本震からしばらくは何度も何度も不気味な地響きを伴う揺れが続きました。その度に家中が軋み、照明が大きく揺れ、死の恐怖を感じたものです。

本震で未曾有の災害となった数日後、追い打ちをかけるように熊本に冷たい雨が降りました。避難所の外で雨に濡れている多くの被災者を見た政府が、早く中に入るように、東京から指示を出した際には、怖くて入れない被災者の気持ちのわからない政府の言葉に憤りを覚えました。

辛い記憶は時間の経過とともに薄れた方がいい。辛いことが幾重にも重なれば、心は耐えきれるものではありません。ただ、先ほどの前震・本震と呼ぶような教訓はしっかりと残していかなければなりません。先日、現在は震災ミュージアムとなった旧東海大学阿蘇キャンパスを訪れて、改めてそう感じました。

我が家の壁には今も亀裂が残ったままです。日々の暮らしの中に、震災の記憶が刻まれています。あらためて亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

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