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羨ましいなぁ

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の第8話を見た。

もともと岸田奈美さんのことは知ってたし
共感するところも多くて1話から楽しく見てた。

見れば見るほど涙は溢れてくるし、笑いも込み上げてきたけど、同時に



「ずるいなぁ」

思っちゃった。



あのドラマは全部が実話じゃないのわかってる。
美化されてるのかもしれない。

岸田奈美さんが私より何倍辛くて楽しかったか
あのドラマだけでは分からないけど、

私に1番ないもの。私がほしいもの。ほしかったもの。

全部もってた。

私はどちらかと言うと、ご本人よりお母様に境遇が似てる。

中途で病気になって車椅子になって絶望から希望を見つけた。


でもあのドラマの主人公は岸田奈美さんだから

岸田奈美さんに感情移入してしまう。


そんな中、第8話。

岸田奈美さん(ドラマでは岸本七実さん)には友人のマルチがいる。

2人は親友といっても誰も否定しない仲だと私は思う。

2人とも相手に思ったことを、嫌われるかもしれないことを ストレートに伝えている。

8話で七実とマルチが少し喧嘩をして仲直りをするシーンがある。

嫌われてもおかしくない言葉を真っ直ぐに伝えて、そして翌日、「ごめん」の言葉がなくても相手の言いたいことを嗅ぎ取って、涙を流して笑い合う。



「ずるいなぁ」

再び私。



何話か前に誰にも頼れないシーンを見て、
当事者でも家族でも"障害者"っていう特別な人種はやっぱりどこか理解されないんだ。

そう思ったけど、

「いるじゃん」

思ってしまった。

きっとマルチなら欠けているもののヒントをきっとくれる。くれた。



今も昔も私にはそんな人おらん。

友達はいるけど、片手が余ってしまうくらいだけど、いるけど、

自分の気持ちを嘘偽りなく真っ直ぐに伝えられる人。

そんな人がいたら今の私はなにか違ったのかな。

身近な人に嫌われるのは誰だって怖い。

嫌われる勇気が2人にはあるの?

それとも、受け入れてくれる信頼関係があるの?

わからんけど。





「あぁ…いいなぁ…私もほしかったなぁ…」

こう思ってしまうのはきっと、

誰よりもこの作品が好きで、

岸田奈美さんとその周囲の人を

誰よりも尊敬しているからなんかな。

汚い感情が芽生えても先を楽しみにしてしまうのは、

誰よりも岸田奈美さんの文才に惚れてるからなんかな。

とっくにどこかに置いてきたはずの「羨ましい」を感じさせてくれた岸田奈美さんと『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』に心から感謝🫡

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