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「通勤電車の詩(うた)」誕生秘話

 我が家のベランダから山々が見えます。桜は咲かないですが、秋の紅葉はきれいです。この家に移り住んでから20年が経ちますが、晴れた日にはソファーに座ってベランダから見える景色をいつまで見ていられます。

 こんな家に住んでいるから、電車で市街地へ出かける時は少し手間がかかります。家からバス停まで歩いて行くのですが、休日の運行本数は少なく時間調整を失敗して乗り遅れてしまうと大変なことになります。バスに揺られて約20分、最寄りの駅から市街地まで乗り換えが2回、所要時間は30分。この間、座席に座れなかったらもううんざり。どちらにしても目的地にたどり着くまでにストレスが溜まってしまいます。
 これが休日のバカンスなら我慢の甲斐もあるのですが・・・。
 
 同じ時間に同じ電車の同じ車両に乗る単調極まりない毎朝を20年以上続けています。それは僕に限らず、世の中のサラリーマンの方々も同じことですね。朝は眠いし、寝起きはしんどいし、これから仕事が待っているかと思うと気分なんかよいはずがない。それならもう寝るしかないと思っても、座れるか座れないかはギャンブルみたいなもの。座れずに立っていたっていつもの見慣れた景色。そんな八方塞がりな空間に、ほんの少しの色取りを加えることができたら、少しはテンション上がりませんかね。

 目をつむっていないで周りを見渡してみたら、いつもと違うほんの少しの変化、気付きってないでしょうか。例えばいつも見かけるサラリーマン風のおじさんが今日は私服を着ているとか、いつもスマホを見ている高校生が珍しく教科書を読んでいるとか、見かけない男性が口を開けて寝ているとか・・・。そんなちょっとした変化、気付きをなぜかぼくは心に留めておく習慣ができてしまいました。ただ単に年を取って朝に強くなったからなのか、無意識に日常を変えてみたいと思ったのか、元々人間ウォッチングが好きだったのか、理由はわかりません。

 noteを始めるに当たって何を書こうかと思った時、いろいろと考えました。どうしても昭和生まれのおじさんって愚痴が多くなるから、私見を文字にするのはやめました。読者の方々に共感してもらえるなんて思えませんし・・・。趣味のこと、これもマニアック過ぎてどうかなぁって・・・。それで指が動くままに書いてみようと思って、スマホに文字を打ち込んだんです。駅のホームで電車待ちをしている時でした。そしたら電車がホームに入ってきて窓を見たらあのおじさんがいたんです。
そう、通勤電車の詩の第1話「タオルとおじさん」は、こんなきっかけで誕生しました。執筆時間はほんの5分。それからは見てのとおりです。

 くすっと笑えるバカ話からほっとするエピソードまで、20年分の経験から得た想いをこのシリーズに込めてみました。退屈な空間をほんの少し色取るために・・・。


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