逆噴射小説大賞2021 初心者の振り返り


俺だ。よく来たな。(言ってみたかった)

あたしだよ。よく来たね。(にしおかすみこ)

もう先が続かないので普通に戻します。

昨日で逆噴射小説大賞2021のエントリー期間が終わりました。今年は上限の3本を応募することができました。

私は昨年初めて2本応募したのですがとにかく面白そう、パルプ初期衝動的な心で何も考えずただ楽しそうだなと楽しく書いて楽しく投稿したのでした。それからどう変化したのか・・・
去年応募したときから、そうは言っても審査していただくのだからただの冷やかしではいかん、1本ぐらいきちんと終わりまで仕上げてみるのが筋であり礼儀であり参加させていただく資格であろうと勝手に思って、何とかそのうちの1本をお話にまとめようとずっとジタバタしていたのですが力及ばず、参加した方々の多くがぶっ飛んだ超面白い作品を長編で仕上げていることに改めて敬服したのでした。

で、1年間仕上げられなかったけれどずっと考え続け、形もだいぶ変わったものを今年の応募作にしたのですが、真剣に向き合うほど難しく、また少しわかったこともあるので備忘録として自分のために書いておきます。

長編は無理でしたが、逆噴射とは関係なく短編を数編きちんと仕上げて投稿できたことが、昨年応募したことによる成長だと思っています。


逆噴射小説大賞2021振り返り

前書きが長くなりましたが、今年の逆噴射小説大賞を振り返ります。

何に留意して書いたか
1、世界観
2、話を動かす
3、タイトルを工夫する

2、3は開催告知記事の後半に書かれていることです。

1本目

これは話を動かすことに一生懸命で「世界観」は平凡になってしまいました。書きながらなんだかハインラインみたいだなぁ・・言い換えると古臭いなあ、と感じていました。ハインラインは嫌いではないけれど。
主人公がスーツを着て飛び立つところで終わりにならずその先が展開されるところまで書けたのは目標達成でしょうか。【続く】で終われましたw
もう少しきりりとした好青年が、飛べないホークスーツでりりしく荒くれ鉱山労働者に立ち向かっていく感じにしたかったのですが、書いているうちにどんどんおバカのぼんぼんになっていってしまいました。
タイトルは気に入っています。
主人公にはこの先自力で頑張ってほしいものです。


2本目

これはもうただの逆噴射です。強いて言えば世界観のみに振り切りました。
だから主人公が旅立つところで終わり、話は動きません。ダメ(真面目か)
「ばかぼん火星の鷹になる」の後、ずっと待っていた「映像研には手を出すな」6巻が出たりカクヨムで「横浜駅SF」という作品に出会ってしまったり、はたまた他の逆噴射への応募作品を読んだりして、そのあまりの世界観のオモシロさ、胡乱さに悶えました。
もう胡乱を書きたくて書きたくて、布団の中で浮かんだアホ話を勢いでそのまま次の日に書いて、もうこれは勢いで出すしかないとそのまま投稿ボタンをポチしました。
3作目となる1年間ずっと考えていたものも悩んでいる最中で、ストレス発散。書いていてそれはそれは楽しかったです。タイトルもよきw
なお作中に出てきた『大尊寺夏子』は、Eテレの5分番組「2355」に出てきた掃除機の名前を丸パクリしたことをここに白状します。
作品自体が『大尊寺夏子』の一点突破。
世界に猫がいないと困るので、続きをタガが外れたまま書きたいなぁと思っています。


3本目

これが1年間ずっと悩んだ作品の最終バージョンです。
Library Untouchable」という作品を去年応募したのですが、テンションを下げてファンタジー風の長編にしたいと思い、叶いませんでした。
いつかこれにつながるかもしれない短編を書きあげることはできました。
せめて出だしだけでもと、今年の逆噴射用に9月ぐらいからだいぶ考え、物語の設定なども二転三転(つまりちゃんと決まっていなかった)し、天空の猫のバカ話を投稿したところでもうやめてしまおうかとも思ったのですが、何とか応募できてよかったです。今数えたら投稿したもの以外に8回も書き直していました(*_*)
世界観と、話を動かす、何とか自分の中で及第点かもしれません。
あと密かに指標というか目標としていたことがあって、それが達成できたことは嬉しかったです。
タイトルもわかりやすくインパクトのあるものがつけられたかなと思っています。

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去年パルプ初期衝動的に書いた時と違って、またショートショートのように完結させるのではなく、続きを読みたくなるように800字の冒頭を書くことにまじめにw取り組んでみて、自分の癖など分かったことがあるので書き留めておきます。
普段からきちんと書いている方には自明のことだと思いますが、物語づくりの初心者にとっては新鮮な発見でした。

「物語の世界観」を作ることとも関係しますが、続きが読みたくなるように書こうとすると、ある程度自分の中で先の展開を持ち、設定が必要になってきます。そして読者を引き付けるための世界観も大事。
で、設定や世界観を全部見せたくなり、地の文多め、説明的になってしまいがちでした。一人語りに陥り他の人物が出しにくくなる事態も。

そうするとお話の疾走感、勢いがなくなり、結局続きを読みたくなるように書けない・・・続きを読ませるための設定なのに本末転倒。
私は考えたことは全部詰め込みたいタイプなので。
そうでなく、自分ではわかっていても読者に謎を残したままぐいぐい進むぐらいが面白いと途中で気づきました。
せっかく考えたのだからと全部盛りはあかん。800字に収まりませんし。
私は俳句の夏井いつき先生のファンなのですが、彼女が「読者を信じる」ということをよく言います。
こちらが説明し過ぎず読者の読みを信じる、でも過不足なく書く・・・悩んでいるうちにどんどん分からなくなります。これはおもしろいの?先を読みたいの?通じているの?
そういう時は誰かに事前に読んでもらい意見を聞きたくなるものですね。

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素晴らしかった皆様の作品

現在応募作品を絶賛読書中、まだ全部読めていないのですが印象に残ったもの。

銀の網

何気ない現代社会のドキュメンタリーみたいな始まり方。派手さがないのにこの後どんなことが起きてもおかしくないぞわぞわ感。どこに連れていかれるのだろう。すごいです。

我以外皆死也也

もう大好きです。最後がお見事!どよめきからの採決がどうなったのか・・・

スマイル・アニマル・マテリアル

この作品は3Ⅾプリンタによる世界の変貌ぶりがすごくて、私はここに住みたい。

当世水鏡端姫噺

静かな始まりからの最後の一文がじわじわときます。とにかく続きが気になる。二人が出会うことで使命は変わるのだろうか。


未来へ

10月は他にショートショートnote杯にいくつか応募し大変勉強になったり(なんと一つが私史上最高の50好きを獲得してしまった!w)、クレイジースタディの「狂気記事王決定戦」で記事を取り上げていただいたり、ワオワオとあわただしくテンションが高いまま過ぎました。何だかやけにたくさん書いた気がします。
11月はそんなこんなでおろそかになっていた、愛猫《さん》が結石した話をきちんと書き切ります。
また読書の秋2021に向けて、「読む猫」たるもの好きな本を暑苦しくマニアックに語る記事を一つか二つは書こうと考えています。
さらには今回逆噴射に応募したものを最後まで書ききることに取り掛かりたいです、ちょっとでも。
もちろん逆噴射応募作品も読んでいきます。

私はnoteでナニモノかになろうというのではなく楽しく遊びたいだけですが、楽しく遊ぶためには面白いことに真剣にジタバタと取り組まねば。
で、今後のためにセルフライナーノーツ的なものをちょっと恥ずかしいけれど書いてみました。言ってみたかったせりふもあったし。



 


お読みいただきありがとうございます。楽しんでいただけたなら嬉しいです😆サポート、本と猫に使えたらいいなぁ、と思っています。もしよければよろしくお願いします❗️