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私が悪女?昭和な言い方ね。今ならなんて言うの?【渡部香澄】1

『日曜日の夕方は、手を繋いで一緒に歩いて下さい。』アナザーストーリー

未来予想図(秀を落とす)

「えっ?、私が悪女?なんて昭和な言い方なの~、、、明菜ちゃん、あなたいくつなの?今ならなんて言うのかしら、、、ハハハハハ。」
「樹里亜ちゃんて、ホントに秀の子?、、、なんか違う気がする、、、」
「秀の子よ。私が言うんだから間違いないわ。」
「ふ~ん、、、まっ、何でも良いんだけどねぇ~」

その会話から9年前。
渡部香澄、24歳、電機メーカー秘書課のOL。大卒3年目。
同じ秘書課や総務課、販売促進課の同年代OLで、リア充自慢の飲み会が月一ペースである事を苦痛に思う日々。
最近のトレンドは、年下の大学生や後輩、合コン相手とのセフレ状態の披露。
一晩に何回いたしたとか、台所で、バスルームで、玄関でとか、こんなおもちゃとか………付いていけない。
投稿動画やAV動画で仕入れた情報を、わが身に置き換えて盛って話す………うそばっかし。
着てる服や、メイクをわざわざイメチェンして、男が変わった空気を何気に出す………金かかるわ。
【良いなぁ~みんな、、、満喫してんじゃんっ。一流メーカーOLの青春、、、30前の玉の輿は、別人格でゲットってか?シナリオ完璧だね。】
当の本人は、大学時代の彼と別れてから丸2年、彼氏なし。合コン後の持ち帰りが2,3回。
恋愛願望や依存願望が滲みでて、数回デート後の消滅(相手からの拒絶)ばかり。
『私だけを見て、私のすべてを知って、嫌な所は見ないで、いつも一緒に居て、居られない時はマメに連絡をして、、、』
『何故、昨日は居なかったの?何処に行ってたの?誰と一緒だったの?私の事、嫌いになった?、、、』
【変えなくっちゃ、、、キャラ変必要だね。おとなの女、設定しなくっちゃ、、、】
但し、高校からの付き合いの、初めての人とは現在も不倫関係継続中。

スタイルや体重管理、健康維持のためにランニングは欠かさない。
毎朝6時起床、身支度を整えて30分程度のランニング。シャワーを浴びて朝食を取り、化粧をして戦闘服(出来るOL + 可愛さ + 艶)を纏い、8時前に家を出る。
ある朝、体調が優れない。【昨日、飲み過ぎたか?。一汗かけば、いけるかな?】でランニングへ行くも、途中で目眩が襲う。
ランニングコースのある公園の芝生広場へ倒れこむように、座り込む。息が上がっている、苦しい、咽喉の下から胸にかけて痛い。
手を胸に当てて、ハアハアと荒く息をする。【落ち着いて、、、治まって、、、元に戻って、、、】
「大丈夫ですか?」声がした。声の方を見る。背の高い男。ランニング姿。朝の太陽がビルの反射光としての逆光でシルエットしか見えない。
「……ハアハア、、、ダメっぽい、、、」演技開始?、、、合コン後半お持ち帰りのシュチュエーション?、、、今は違う、ガチで辛い。
男は「ちょっと、失礼します。」と言うが早いか、おでこに手を当てたり、首筋を指で触ったりとして、
「熱中症っぽいです。まずはこれ飲んでください。」と腰につけていたきび団子ならぬ、スポーツドリンクを渡してくれた。
一口飲む。気持ちが落ち着く。胸は相変わらず痛い。気が付かなかったが男の顔が目の前にある。瞬きをしながら見る。
【……イケメンじゃんっ!、しかも若い。背も高い。体育会系の身体で、頭良さそう系で、持ち物は、、、りっぱ系?】しゃがんだ男の股間に目が行く。【やっぱり。】
「身体、冷やさないと危ないですから、あそこの木陰まで行きましょう。歩けますか?」
「……あ、ハイ、、、支えて貰えればなんとか、、、」胸が痛い。
男が香澄の腕を自分の首にまわし、香澄の腰に左手をまわす。右手は香澄の首にまわした腕の手首をつかむ。
よろよろと歩き、木陰に座る。男は首に巻いていたタオルをハタハタと動かし、香澄に風邪を送る。
「身体をはやく冷やした方が良いんですが、住まいは近くですか?」男が聞いてきた。
「……ハイ、この公園の入り口にあるマンションです、、、あそこに見える灰色の、、、」
「直ぐそこですか、、、送ります。乗ってください。」男はタオルで風を送るのを止め、香澄の前に背中を向け、しゃがむ。
【肩幅、広っ、、、肩の肉、半端ない、、、】「え、、、でも、、、お願いします。」男の背に乗る香澄。
熱中症で身体が熱い所へ、イケメン登場で更に熱く、身体が密着してもっと熱くなる。
マンションの前で、一旦背中から降ろされ、
「ここで良いすか?まず身体を冷やしてください。っで今日は水分と塩分を取って休んでください。」と男はそう言って帰ろうとする。
「ど、どうもすみません、、、」礼をしようと上体を前に倒すと、また目眩が、、、その場に座り込んでしまった香澄。
「あっ、、、部屋までお送りします。」香澄に背中を向け、再度おぶさる様に促す男。香澄、男の背に乗る。
エントランスまで行く。すれ違う仕事へと向かう住人たちの視線が痛い。ゴミ出しの住人の立ち止まって見る視線がウザい。
部屋番号を聞くが、住人とのすれ違いで空いた自動ドアを進み、香澄をおぶったままエレベーターへ乗り込む。
部屋のカギも暗証番号。一旦、男の背中を降りて香澄が入力する。ドアが開く。二人で入る。
「シャワーを浴びて、水分と塩分を十分に取ってください、スポーツドリンクや野菜ジュースとかあれば良いっすけど。」
玄関口で男が香澄へそう告げると、香澄は床に向かって再度、倒れこんだ。
「えっ、、、大丈夫っすか?、、、やっぱ、救急車呼びましょうか?」と男。
「いえ、大丈夫です、、、部屋に戻れて安心しただけです。」香澄、【救急車なんか、呼ばないでよ、、、】
「……ん、ふ~。」男は一息した後、ランニングシューズを脱ぎ、そこにあった客用スリッパを借りる。
倒れこんでいる香澄の脇の下とひざに手をまわし”お姫様抱っこ”をした。「一先ず、ソファーまで、、、」奥に見えるソファーまで運ぶ。
【あ~、、、初めてかも、、、お姫様抱っこ。小さい頃のパパ以外じゃ初めてだ、、、】顔が赤くなりそうな気が、、、今の顔は青い?どっち?
「何か飲むもの、、、」男は冷蔵庫を開け中を窺う。青いスポーツドリンクのペットボトルを持ち、香澄のもとへ持ってきた。
「エアコンのスイッチは?」と聞く。ダイニングテーブルを香澄は指差す。男はテーブルまで行き、リモコンでエアコンを入れる。
「次は何しましょうか?」男が聞いてきた。顔が不機嫌そうだ。【しまった、、、怒らせた、、、やりすぎたか、、、でも、ホントにしんどいもん。】
「ご、ごめんなさい、後は自分でどうにかします。」
「このまま、暫く安静にしていてください。急変したら心配なので、居ましょうか?俺。」
「え、、、、いえ、、、大丈夫です。それよりあなたのお仕事とか、、、、」
「俺、学生っすから。大学2年。何とでもなります。……ってか、あなたも仕事じゃ、、、でも今日は休んでください。」
「あ、うん、連絡しとくわ。」香澄、腰のバッグから携帯を取り出し、何かのアプリを立ち上げタップし、入力した。
「それで、良いんすか?へえ~、便利なもんですね~、、、お姉さん、OLですか?」
「ええ、、、MONYで、秘書してる、、、」香澄、ちょっと上から目線が入った返事。
「すっげえっ!現代の先頭を走ってるじゃないですか!」男の妙な先入観がちょっと面倒臭そうな気がした。
「先頭なんて走って無いわよ、、、あなたは?どこの大学?」
「関東体育大、”かんたんだい”です。入学、卒業、簡単だい!の所です。ハハハ。」
「へえ~、、、何のスポーツ?、、、」【面白くないジョーク、、、学校もDランクか、、、後は申し分無いけどな、、、】
「短距離です。100、200、400リレー、あと時々走り幅。」
「名前は?あ、私は渡部 香澄《かすみ》。」
「山根 秀《しゅう》です。」
【しゅうくんかぁ~、五つも下かあ~、、まっ、許容範囲内か。】

その後、胸の痛みも治まり随分と楽になったので、「もう、大丈夫そうよ。シャワー浴びて、少し寝るわ。」と香澄、【今日の所は帰って。】
「じゃ、俺、帰ります。良かった。大事に成らなくて。」と秀は床のラグから腰をあげ、帰ろうとする。
「連絡先、貰える?」と香澄。「良いすよ。」と秀。携帯番号を登録しあう。
「それと、そのラグ、俺の汗で湿ったから洗って干して下さい。すいません。」と秀。
「はっ?、、、気にしなくても良いのに、、、ウフフフフ。」秀の妙な気遣いに笑う香澄。
秀は玄関でシューズを履き、ドアを開け、エレベーターへと歩き出す。
香澄は秀を玄関から見送りながら【これは、逃がしちゃダメっ。誰か好きな子が居ても落とすからね。覚悟しといてね。秀君】と誓う。

さすがに翌日はランニングは止めた。走れない事も無かったが、秀君に会うと叱られそうな気がした。『昨日の今日で、走っては駄目です』って。
翌々日、走った。秀には会えなかった。【大学の近くを走ろうかな、、、確かもっとこの先の、、、】が、しかし出社前のランニングでは、遠出は出来ない。
【明日は、もう30分早く起きるかな?、、、】
次の日は5時30分 起床。関東体育大の近くを走る。会えなかった。
【電話すりゃ良いじゃん。】
【ガっついてるおばさんには見られたくないし~。】
【焦ってる姉さんで行けば?】
【偶然を装い、運命を感じさせて、私に依存させたい。それが理想なの!】
【ハイハイ。お好きな様に、、、】

土曜日、関東体育大の近くを、ランニングではなく散歩した。お洒落なお店が結構ある。ブティックや小物、ライフスタイル提案型ショップ。
ある病院の前、見覚えのある男の姿。【あ、秀君だ、、、何?、、、怪我?】病院の看板を見る。『西東京フィジカルクリニック』(スポーツ整形外科専門)。
「秀君!」香澄、思わず声が出てしまった。その声が秀に届く。
「ああ~、渡部さん、おかげんどうですか?、、、今日はこの辺に何か?」
「うん、もうすっかり元通りで調子良いわよ。今、散歩中、、、秀君、怪我?」
「……ええ、この前から腕が上がらないとか、痛いとか時々あって、検査中です。」
「そう、それは心配ね。……あ、ゴメン。この前は本当にお世話になりました。ありがとうございました。先に言わないとダメよね。」
「いえいえ、元気になられて良かったです。熱中症って寝ててもなるそうですから、無理しないでください。」
「そうらしいわね。無理はしないわ。……でも。秀君に会えるなら、少々無理してでも走るけどね、私。」香澄、少女の様な笑顔で秀を見る。
「どうも、、、照れるな、はっきり言われると、、、」秀、顔がニヤけて来た。
「ねえ、食事でもしない?奢るわ、この間のお礼もしたいし。どっか良い所知らない?」
「じゃ、この先の中華屋さん、ビュッフェスタイルなんすよ。単品で飲茶も頼めるし、 298《に~きゅっぱ》 一定料金で。」
「うん、そこ行こう!連れてって。」

中国料理 楊貴楼《ようきろう》
香澄、入口のレジで二人分を前払いで払う。飲み物代は後払い。
席に案内されて、ホール係の女の子が水を持ってきてくれた。
「いらっしゃいませ。……秀、いらっしゃい、、、」ホール係の女の子が秀に話しかけた。
「おう、」秀、一言だけ返す。
「……こんにちは、私、秀のガールフレンドの明菜です。」女の子、香澄の方を見て、挨拶?。牽制球が投げられたみたい。
「あ、どうも、、、こんにちは。秀君には先日、大変お世話になったの。今日はそのお礼。……ご心配なく、彼女さん。」
「……では、どうぞごゆっくり、、、」明菜と名乗ったホール係の子は、笑みを残して厨房へと去って行った。
【ん?今の笑みは何?、、、ジェラシーではなさそうな、、、】ちょっと不思議に思った香澄、秀に尋ねる。
「秀君、今の子、彼女?、、、付き合い、深いの?」
「ん~、、、彼女と言えば、彼女かな?、、、遊びに行ったり、家に泊まったりするし、、、俺が他の子と遊ぶと怒るかな?」
「付き合ってないの?セフレ?遊び?、、、秀君はどう思ってるの?」香澄、要らない心配を掛けないつもりの作り笑顔で根掘り葉掘り。
「セフレって訳じゃ無いけど、来れば拒まない程度だけどね。付き合ってとは言われてねえし、、、」秀、少し照れ気味。ドヤ顔?
「ふ~ん、秀君はもてるんだね。女の子に不自由して無いんだぁ。」君にはまだ、気が無い素振りの香澄。
「うん、よく告られる。ありがとうって言って、誘う。大体、上手く行く。でも、しょっちゅうじゃないすよ。練習があるから。」
「女たらしなんだ、、、フフフ……おっと、早速取ってこようか。他に飲茶、頼まなくっちゃ。」
【敵は多そうだけど、本人は特定の子に固執するタイプじゃ無さそうね。……って事は、誘えば落とせる。】

中華屋のビュッフェ、秀は肉系や麺類、香澄は飲茶の蒸し物やデザート。かなり食った。元は十分採れた気がした。

「ねえ、今度さぁ、走り方教えてよ。我流でやってきたから、ちょっと不安なのよ。」
「良いすよ。いつも朝、走ってます?」
「うん、ほぼ毎朝ね。6時過ぎくらいから、あの時の公園まわりを走ってるわ。」
「じゃ、俺、時間がある時、行ってみますよ。でも、毎日は無理だな、部の練習があるし、、、」
「じゃ、メッセージ頂戴。」
「あ、はい。」

三日後、秀から香澄へメッセージが届く。
”明日朝、公園に6時行ってみます”
【よっしゃっ、これを三回は続けるわよ、、、その後、休みの日に私から、、、】

待ち合わせの朝。
「秀君、おはよう。よろしくね。」香澄は、身体のラインがくっきり出るランニングウェアー。
「お、おはようございます。……まずは関節をまわしましょう。」秀は、香澄の姿にちょっと照れる。
秀と香澄、膝まわし、足首まわし、屈伸、足伸ばし、腰の前屈や後屈で準備を始めた。
少し汗をかいてきたのか、香澄からほのかな香りがしてきた。
【さわやか系の甘くない勝負コロン。どうかな?】
「ま、まず、姿勢が大事です。背筋は伸ばして下さい。」秀、少し動揺。
「ハイ。」【そうそう、素直にね。】
「両肩は引いて、胸は開いて、肩の力は抜いて、10メートル先を見る様に、、、」
「ハイ、こんな感じ?」香澄、形の良い乳房を前に突き出し、秀を見ながら微笑む。
「お、、、い、良いですね。そんな感じです。あと、つま先で地面をけらない様に意識してください。ふくらはぎが太くなりますから。」
「へえ~、、、そうなの~?」香澄は自分のふくらはぎを見る様にしながら、お尻を秀の方に突き出す。
「う、、、じゃ、じゃあ実際に走ってみましょう。」
秀と香澄は公園の周回コースを走りだす。
「呼吸は口から吐く様にして下さい。吐けば自然と吸ってくれますから。」
「ハイ。」香澄の胸が上下に揺れる。秀は香澄を横眼で見ながら、顔が緩むのが恥ずかしくなる。
香澄は意識的に胸を揺らす事が出来る様に、いつもの締め付けるタイプより緩やかなワンサイズ上のスポーツブラを着けて来ていた。
30分くらい走った所で、ウオーキングに移る。暫く歩いた後は筋肉伸ばし。
「帰ったら、あまり熱くないシャワーでクールダウンしてください。」と秀。
「うわ~、ホント今日は良い汗かいたみたい、、、教え方が上手だとこうも違うんだ、、、」とおためごかし。
「こんな感じで続けてみてください。」
「うん、続けるのは良いけど、モチベーションがねえ、、、また、一緒に走ってくれる?」
「あっ、ああ、、、良いですよ。来れる時はメッセージ送ります。」
「やった~。秀君となら続けられそう。うふっ」【ここは、乙女チックに、、、】
「ど、どうも。」

翌週、翌々週と秀と待ち合わせてのランニング。
秀の部活の都合などで、週に一回くらいしか香澄とのランニングは出来ない。
「ねえ、土曜日か日曜日、空いてない?部活の無い日とかで、、、」
「来週の日曜日、空いてますよ。関東大会で主力組は遠征に出るんで、控え組が残るぐらいですから、練習に出なくてもokです。」
「じゃ、来週の日曜日はランニングの後、ブランチしよっ。ほら、いつもなら私、会社があるからご馳走したくても出来なかったのよ。」
「ブランチ?良いっすよ。楽しみにしてます。」
【よしっ!貰ったっ。】

「入って、入って。今から準備するからさあ~、シャワーでも浴びる?使って良いよ。」
日曜日、秀とのランニングを終え、香澄のマンションへ。
「あ~、、借りたいけど、着替え持ってきてないんで、、、」
「あ、そうかっ。……そうだ、ボクサーパンツならあるわよ。元彼の忘れ物で新品よ。使う?サイズは多分、合いそうよ。」
「いや、でもTシャツやハーフパンツの変えも無いんで、、、」
「洗うし、直ぐ乾くわよ。今日、天気いいから、、、バスローブも貸してあげるから、遠慮しないで。」
「あ~、、、じゃ借ります。」
「うん、私もホットサンドの支度が出来たら後でシャワー浴びるから。先に入って。」
「えっ、、、後《あと》から?、、、一緒っすか?」秀、にやけ顔でボケてみた。
「バーカっ、交代よっ。ウフフフフ、」香澄の笑いながらのツッコミ。
香澄はクローゼットから、ボクサーパンツ、バスローブ、バスルーム前の衣装ケースからバスタオルを取出し、秀に渡す。
「ほいじゃ、借りま~す。」秀、バスルームへ向かう。
【はい。ボクサーパンツは今日の為に買いましたっと。バスローブは私のです。ほのかな香りつきです。】

秀がシャワーから出て来た。
「コーラでも飲んでてっ。」と冷蔵庫からペットボトルとグラスに氷を入れ、テーブルへ置く。
「私も入ってくるから待ってて。出たらすぐにホットサンドつくるから。」
香澄はクローゼットからもう一つバスローブを出し、バスルームへと行く。
ランドリーボックスにある秀の着ていた物と自分の着ていた物をネットに入れ洗濯機に放り込む。洗濯開始。
香澄もシャワーを浴び、化粧も落とす。すっぴんでも自信のある顔立ち。
「お待たせ~、すぐ作るからね。」バスローブを羽織り、リビングに戻る香澄。
ホットサンドメーカー、8枚切りのパン、ポテトサラダ、パストラミビーフ、ツナマヨ、とろけるチーズ、トマト、きゅうりなどをテーブルに置く。
メーカーのプレートにオイルを引き、食パンを片側に乗せ、ポテトサラダとパストラミビーフ、チーズを乗せ、その上に食パンをもう一枚乗せる。
メーカーの蓋を閉める。
「ねえ~、秀君。秀君は目標とかってある?」ホットサンドの準備をしながら、香澄が聞いてきた。
「目標っすか?、、、しいて言えば、短距離の全国大会のファイナリストかな?」
「優勝じゃなくて?」
「優勝は無理、、、俺より才能があるやつとか、練習一杯するやつって腐るほどいるし、、、」目線を逸らす。
「でも、練習は裏切らないってよく言うじゃない?もう少し頑張ってみれば?、、、応援するわよ。」
「応援?、、、言葉だけですか?」香澄を上目遣いで見る、秀。
「ううん。額は少ないけどお金とか、寂しい時は一緒に過ごすとか、、、」微笑みを浮かべ香澄、思わせぶりに。
「う~ん、、、もう少し追い込んでみようかな?、、、香澄さんのご褒美があるなら。」秀、微笑む。
「あげるわよ。ご褒美。……まずは、食べましょうよ、ホットサンド。サラダも出すわ。飲み物は何が良い?、コーラ?スポーツドリンク?プロテイン?」
「……スポーツドリンク。」
【背中を押す、、、受け止める、、、そっちにするか、、、キャラ設定。】

ホットサンドを4枚づつ食べ終えた頃、洗濯機の仕上がりチャイムが鳴る。
香澄は、ランドリーボックスへ洗濯し終わったウエアーなどを入れ、ベランダへ向かう。秀もベランダへ出る。
「気持ちい朝ねえ~。もう秋ねえ~、風が涼しいわ~」香澄が洗濯物のボックスを一旦置き、ベランダから目の前の公園を見ながら、両手を広げている。
秀が、背後から香澄の体へ手を回す。秀の顔が香澄の首筋に纏わりつき、左手が香澄のバスローブの中へと進む。
「……ダメ、、、洗濯物を干してから、、、それに、公園から人が見てるわよ。」
「……お預けですか?、、、俺、もう、、、」秀は股間の大きくなったものを、香澄の背中から腰に掛けて押し付ける。
「さすがに、朝からベランダではいたしたくないわ、、、だって、、、秀、すぐイっちゃいそうなんだもん、、、まだまだこれからよ、今日は。」
香澄は振り返り、秀にキスをする。「すこし、待って。」耳元で囁く。「分かった、、、」秀、引き下がる。
手早く洗濯物を干し、室内へ入り、秀の前に立つ。秀はソファーで寝転んでいた。
「お待たせ、、、」香澄は羽織っていたバスローブの紐を解き、前を開《はだ》けると、下着もつけていない豊満な身体が光っていた。
「香澄、、、」秀は目の前の香澄を抱き寄せ、ソファーへ横たわせる。
キス、愛撫、それぞれの物への奉仕、合体、幾通りもの体勢、ベランダの窓からの風が心地良い。汗ばむ二人を適度に冷やかす。
「う、う~ん、、、中出し、良いわよ、、、私、今大丈夫だから、、、あ、あ~」香澄からの許可。秀の腰の動きが激しくなり、フィニッシュ。
その後も、秀の元気の良さに何度も別世界へ飛び立つ香澄。【思った通り、、、若いし、体育会系で、モテて手慣れてるし、、、】

「秀、都合の良い時には来て。いつでも良いわよ。メッセージ頂戴。」
「うん、連絡する。」

秀、陥落。

現時点での香澄の”未来予想図”
・秀を落とす。
・秀の夢を実現させる
・卒業を待ち、結婚をする
・子供を授かる(秀の子とは限らない)
取り合えず、ここまで。この後のsubjectは”こども”に多分、変わる。今は”秀”。

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