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悲しい顔をさせたくないと思うほど


いちばんすきな花というドラマの中で、夜々ちゃんが母親に本当の気持ちを伝えた4話が心に残っている。

「ママのことは大好きだけど、嫌いなところがいっぱいある。」
この言葉を吐き出した夜々ちゃんと、電話越しに頷く母親の表情を見て、涙がでた。

末っ子で女の子であることの複雑な気持ちに共感したのもそうだけど、
それ以上に、それを両親に言えなかった夜々ちゃんの気持ちがすごくわかる気がして、苦しくなった。




相手が大事な人であるほど、悲しい顔をさせたくないと思う人であるほど、本音を言えなくて、向き合うことが難しい。
私にとって両親はそういう存在なのかもしれない。

親だからって全部が正しいわけじゃなくて、私には理解できない部分、直してほしいと思うところがある。
ずっと昔から嫌だと思い続けていることもあれば、最近あれ?おかしくない?と気づいたこともある。
悪気が無いから。それが普通な人としか関わっていないから。
だから気づかないかもしれないけど、その言動で私が静かに傷ついていることや、周囲に悪い印象を与えていること、それを私が伝えたら、2人ともどんな顔をするんだろう。
悲しそうな顔が思い浮かぶ。

ちゃんと話せばわかってくれるだろうし、理不尽に逆ギレするような人たちではないから、私が言ったことを受け止めて、反省するんだと思う。
私が傷ついたということに傷つくんだろう。
そしてそれを今まで何も言わずに黙っていたということにも傷つくんだろうな。


昔、母親と揉めて思わず本音がでてしまったとき、
父親に何も言えない代わりに態度で嫌だと示してしまったとき、

そんなときの2人の表情を思い出すと、苦しくて悲しくなる。
ドラマの中での夜々ちゃんの母親の表情が、あまりにもそれだった。

いちばんわかってほしい相手なはずなのに、この表情をさせる苦しさが大きすぎて、言わずに我慢する苦しさを選んでしまう。
そんなことが積み重なって今の距離感になっている。


結局私は、自分が傷つきたくないだけだ。大事な人に悲しい顔をさせている自分を見ることができない。

どっちが本当に優しいのかって考えたら、今の自分は正しくない。
本音を隠して、嫌だと思いながら放置されているほうが自分なら悲しい。
いつか、必要なときが来たら、私も夜々ちゃんみたいに向き合える日がくるのかな。

そんなことを思った休日でした。

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