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良い写真の共通点を探す(4)

時代に合ったコンテンツ

前回の記事では、SNSとエモい写真の目的について考察しました。SNSで写真を投稿する以上は、共感(いいね)を集めるエモい写真の投稿は自然なことであり「自分の世界観をブランディングしていく」という点において価値があるという記事でした。ところで、社会に浸透してきたSNS、TikTokやInstagramなどの新しいコンテンツはどこから来るのでしょうか?こういったトレンドの先読みができれば、それに合わせたユーザーの生態が予測できます。ユーザーの生態がわかれば、求められていくコンテンツの性質もわかります。今後の写真は、どのようなものが求められていくのでしょうか

インターネットで流行っているコンテンツ。特にSNSは、その殆どが欧米から浸透してきた文化のようです。そして日本に来たばかりの初期のSNSの利用者は若い人たちの比率が多く、徐々に高齢化していくという性質があります。つまり日本における文化の先駆者は、日本で多数を占めるシニア層ではなく常に若い人たちのようです。写真という文化においても、おそらく同じことが言えそうです。新しいものに対するアンテナや吸収力は若い世代のほうが優れいています。そこである程度淘汰・醸造された文化が、シニア層のアンテナにも引っかかり浸透していくのでしょう。年齢による吸収力の特性を考慮すれば、この性質はSNSでも写真でもおそらく共通のものです。

それでは若い世代が何を重視しているのかということを調べながら、写真においてどのようなコンテンツを目指せば時代に合っていくのかを予想していきたいと思います。

Z世代の特徴から、これからの写真を予想する

ゆとり世代、さとり世代、Z世代という世代の名前を聞いたことはあると思います。この記事では、一番若いZ世代の特徴について調べます。検索して見つけたZ世代に関する記事がわかりやすかったので引用させていただきました。Z世代とは、1990年後半から2000年代に生まれた人を指す言葉です。2021年現在で、25歳より若い年齢の方々です。

・ネットリテラシーが高い
 →プライバシーを意識する≒匿名性の高いサービスを好む

・SNSで情報収集する
 →Google検索ではなく、SNSなどで検索したりする

・保守的な金銭感覚

 →不景気な背景も有り、貯金や節約に意欲的

・ダイバーシティ(多様性)を重視する

 →デジタルネイティブなためネットを通じて多様な価値観を認識している

・自分らしさを重視する

 →他者の個性も、自分の個性も重視する

写真の話にしていきます。Twitterが最近強化した「プライバシーポリシーの強化」は、プライバシー意識への対策にも思えます。スナップなど、プライバシー意識に抵抗のあるものは減っていきそうです。SNSで流行っているハッシュタグをとりあえず真似して写真を撮る文化はかなり前からありましたが、SNSで情報収集をする層が中心の場合は今後もこのような動きになっていくでしょう。金銭感覚がシビアなら、近場のフォトウォークや格安のツアーなどがマッチするかもしれません。多様性や個性を重視する姿勢から、良い写真には「個性的である」という条件があると言えるでしょう。SNSで情報を集めつつ、いかに出費を抑えて個性的な写真を撮っていくかが鍵となりそうです。

smiysneさん(Z世代の方)のいいね数ランキング

今回はZ世代の写真家の方であるsmiysneさんの写真をお借りして、ランキングを作っていきたいと思います。Z世代の方の写真家は個性的な写真の方が多く、独特な世界観が見られます。

大きく分けて2種類の写真があります。プライベートなご自身の写真と、特徴的な世界観の写真です。特徴的な世界観には差し色のような共通点が見えます。日常空間にポツリと存在する赤は、とても印象的に写りますね。

差し色と個性的な写真

smiysneさんの他にもZ世代の写真家の方を何人か見ましたが、Z世代の特徴として独特の個性が見られました。ところで、今回ランキングを作っていてあることに気づきました。それは、写真に対するアクセントカラーの存在です。皆さんは Leica Oskar Barnack Award 2021 をもうご覧になられたでしょうか。

モノクロ以外で表彰されている写真たちの中には、目を引く赤やピンクなどの色がほとんど必ずと言っていいほど入っています。

偶然かもしれませんが、これはsmiysneさんの作風にも共通します。私自身も写真の中の差し色のような概念についてはなんとなく認識していたのですが、今回の考察でよりその重要性について気付かされたので、私自身のこれからの写真活動にも活かしていけたらなと思います。

そして、Z世代の特徴である「個性的」であることについても、より着目して行きたいと思います。Z世代の特徴から、差し色と個性の重要性について気づくことができました。

つづく



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