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ビザ更新 | こんまりと愛の力、その1

ボンジュール、皆さま。
訪れてくださってありがとうございます!
今日からパリでの生活、お仕事もプライベートもテーマもざっくばらんに時系列もなく、思いのままに綴っていきたいと思います。

海外暮らしの関所、ビザ更新
今日のテーマは海外で暮らしたことのある方なら誰もが通る関所、ビザ更新。私の場合、幸いにも勤務先が労働ビザを発給してくれるのですが、総務も兼任する自分でゼロから調べて準備します。心配症でうっかり八兵衛な私は、いつも早々にプレフェクチュール(警察署)へ予約を入れ、抜かりなく用意します。

それでも予約当日はいつだって緊張が頂点に達します(パスポートをうっかり忘れて遅刻、危うく予約をキャンセルされそうな経験有…。)却下されたら日本へ強制送還!?というところまで毎回想像する私の脳内は、かなりドラマチック。。。

皆さま、英語の通じない入国審査の厳しい国へ一人旅立つと想像してみてください。一対一で不機嫌そうな審査官が1ミリも表情を変えず、よくわからない言語で質問を繰り返してはこちらの流暢ではない返事に「あんっ?」と5倍くらいの音量で聞き返す、あのイメージです。
前置きはこれくらいにして、私のビザ更新エピソードを2つご紹介します。

Le Cœur de Marie(マリア様の心)というハート型の花を咲かせる可愛い植物。

強面のマダム、胸元に“POWER OF LOVE💘”
ビザ更新は一対一の面談と書類チェックです。当時の担当は、強面の仏人マダム。ジュリエット・ビノシュが庶民的で意地悪なご近所役を演じた風貌です。笑顔でボンジュールと始めてもニコリともしません。目も合わせずに書類チェックを開始、少しして「指をそこに乗せなさい」と指示がありました。指紋を取る機械に近い方の左手を乗せようとすると、間髪入れずもの凄い剣幕で「ノンッ、右!」と。初更新の私は「す、す、す、すみませ〜ん!」と平謝り。今なら「Ah bon(ああそう、わかった)」だけ。とにかく、一気にビビりモードに入ってしまった私は、彼女の顔を直視できず、視線はやや下へ。

すると、彼女の胸元に “POWER OF LOVE💘”。Tシャツに施されたすごく素敵な刺繍が目に飛び込んできました。胸元に愛の力💘って!普段は絶対に愛溢れる優しいマダムに違いないわ!と急に思えてきた私には、どんなに牽制をきかせた彼女の強面もペルソナにしか見えなくなってしまいました。(単純!笑)

タイミングを見計らって「素敵なTシャツですね」と言うと、彼女の仮面は瞬時に外され「でしょ?息子からのプレゼントなの!」と優しい笑顔が現れました。その後は片言ながらも世間話も交えて、何の問題もなく無事終了。

ピンクのハートもあります、日本語ではケマンソウ。

心の内が外の世界を創る
目の前にあった情報と事実は「怖そう(と私が思い込んでいる)なマダムがビザの書類を確認している」だけです。でも、私が必要以上に心配し、悪いこともミスもしていないのにビビったが故に、自分の内側の不安と怖れを外側の世界にまで侵食させて、ビザ更新がうまくいかなかったらどうしよう!と過剰反応していただけなのです。心の内が外の世界を創るとはよく言ったものですね。強い感情に支配されたとき、そしてそれが長く続くとき。一度目を閉じて、自分の内の感情世界に起こっていることなのか、あるいは外の現実世界の出来事なのか、深呼吸してみることを最近覚えました。

2つ目のエピソードは次回、こんまり登場です。
スパーク・ジョイ!
2023年5月11日
さぁや、パリ。

パリ11区、Rue Moretがハートだらけだった夜。

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