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映画感想文「ワンダー君は太陽」世界を信じたくなる心に灯がともる良作

顔に障害を持って生まれてきたオギー。

生まれてから27回の整形手術を繰り返し、それでもまだ、顔を隠すヘルメットを被らないと外を歩けない。

外の世界で暮らせるようにと願う母親(ジュリア・ロバーツ好演)の強い希望で、10歳で初めて学校に行くが、クラスメイトから敬遠され(異物に対する子供の反応は残酷だ)ランチはひとりぼっち。ドッチボールでは的にされ、いじめられる。

それでも、彼は自分の運命を受け入れ、静かに淡々と学校に通い続ける。

この映画が異色なのは、彼に両親の関心を持っていかれ寂しさをかこつ姉、奨学金をもらう貧しいクラスメイトなど、彼以外の登場人物の葛藤も描いてること。

そう、彼だけをクローズアップしてるわけじゃない。そこが良かった。

みんなが人との関わりで、それぞれの満たされない思いを抱えてる。

それでも、人を傷付けるのは人であるが、癒すのも人だという矛盾と救い。

だからこそ、例え傷付いても、人は誰かとともにある。 そんなこんなを、お涙頂戴ではなくポップに描き、心に灯がともる良作である。

あったかい気持ちになって希望を持てる作品。

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