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映画感想文「マチネの終わりに」孤独の中で心の襞に触れられた時、人は恋に落ちる

大人は孤独だ。やるせない数々をひとりでそっと、噛み締める。そして、まるで何もなかったかのように、やり過ごす。

天才ギタリストがスランプに陥り中年の危機にある。前のように弾けず、長いトンネルの中で、静かに絶望している。

そんな時に出会った女性ジャーナリストもまた、生死の狭間で発信を続ける仕事や踏み切れない結婚に迷い、大切な人を見送った後にある。

日常の裏に隠してる孤独のなかで、心の襞にそっと触れられた時、人は恋に落ちる。たった三回しか会わずとも、それは起こる。

そして、この人に出会ったことを良かった人生を生きよう。そう思える出会いはある。

福山雅治の奏でるクラッシックギターが素晴らしい。さすが、ミュージシャン。どんな台詞より雄弁に主人公の孤独と悲しみ、喜びを語る。

その調べを聞くだけでも一見の価値あり。また、石田ゆり子の儚げでいて強靭な美しさも眼福。

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