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映画感想文「見えるもの、その先に」それでも自分を諦めない。19世紀に生きたスウェーデンの女流画家の真実

自分を削除したい衝動に駆られる。

求めてやまぬものから拒否された時。

世界はあなたを求めてない。そんな当たり前の真実に、こっぴどく凹む。

ヒルマ・アフ・クリント。1862年にスウェーデンに生まれた画家。

20世紀始めに、カンディンスキーやモンドリアンより早く抽象的絵画を描くが、師と仰ぐシュタイナーに否定され、誰も彼女の価値を認めなかった。

死後20年間作品を公開せぬよう記した遺言に彼女の深い絶望と微かな希望が見え隠れする。

キュレーター、美術史研究家の考察、遺族へのインタビュー、残された作品や日記を紡ぎ作り上げたドキュメンタリー映画。

「それでも自分をあきらめない」 それは意志の力であり、生きざまである。

地味ながら心に響く作品。

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