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映画感想文「女優は泣かない」笑って泣ける良作。蓮佛美沙子がイキイキ輝いてる

笑いと涙は、紙一重だ。

それをしみじみ感じた本作。

今年観た映画Best10に入る良作。軽さと重さのバランス良し。笑って泣ける。

不倫で干されてた女優、園田梨枝(蓮佛美沙子)の復帰作は、故郷の熊本を訪ねるドキュメンタリー。予算も付かず期待もされてない中、担当は理想は高いがいつも空回りの若手ディレクター瀬野(伊藤万里華)。

この仕事を逃したら後がない、2人の珍道中。

しかし、大変なのは彼女たちだけではなかった。

よくよく話を聞いてみれば、地元で働いてる梨枝の同級生、「女優の家族」というレッテルを張られた梨枝の家族。彼らもそれぞれ様々な葛藤を抱えていた。

次々と溢れ出るそれぞれの想いが、カラメルのようにほろ苦い。

主演の蓮佛美沙子がとても魅力的だ。

今まで映画やドラマで見かける彼女は薄幸なおとなしい役が多い印象。よってコメディがいけるのに驚いた。本作では水を得た魚のように、イキイキしてる。きっと彼女の代表作になるだろう。

同級生あるある、お人よしでお節介なタクシー運転手(上川周作)。姉妹あるある、地元でひとり家族を背負う専業主婦の姉(三倉茉奈)。など、脇を固める演者も好演。

笑いの中にほろりとさせる場面が散りばめられており、映画館のあちこちで笑いと啜り泣きが交互に聞こえた。

最後のオチもよい。

長編初監督だという、有働佳史監督作品。この監督の作品をもっと観たいと思う。

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