見出し画像

映画感想文「メメント」凄い映画だが好きとは限らない。クリストファー・ノーラン監督作品

めちゃくちゃ面白い映画なんだよ。と熱く力説され、観た。

「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督の作品。

もう20年前のことなのか。公開日を確認して悟る。

当時、確かに斬新だった。それまでなかった、謎解きだらけの映画。

だけど面白いかもしれないけど、好みではなかった。

何しろ、登場人物が信頼できない奴ばかり。主人公は自分だけを信じて復讐に燃えている。気が滅入ることこの上ない。

映画に求めるものは、希望である。そんな私には、合わなかった。

記憶が10分しか持たない男、レナード。強盗に妻を殺され、自らも頭を殴られて記憶障害になった。妻を殺害した人物に復讐するために生きている。

起きたことを忘れてしまう彼は手のひら、胸板、腕、他、自らの肉体の至る所にメモを書き殴る。

いったい妻を殺した犯人は誰なのか。

現在から過去へ。過去から現在へ。両方から物語は綴られる。こういう、時間を操る表現手法は、この監督の真骨頂である。

複数の解釈のできる結末。これも奥深い。

それでも、個人的にはもっと希望の持てる作品が好みである。

成熟なのか、マーケットニーズに寄り添ったからなのか、そのあたりわからぬが、この作品と異なり、オッペンハイマーにはもう少し希望を感じた。

20年ぶりにまた観ることで揺るぎない自らの映画に求めるもの、を再確認した。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?