大切な人の大事な場面で、間違えたくないから、私は本を読む

本を読むのが好き
全娯楽の中で、本が1番好き

登場人物の姿形、声、周りの情景、どれも自分で決められる。
最近気に入っている俳優を当てはめても良いし、部屋のインテリア、住んでいる街並みだって自由自在だ。

登場人物を友だちのように感じたり、憎くなったり、感情も忙しい。
うっかり重い系のものだった時のダメージは相当だし、号泣しすぎて翌日ブスが爆発している時もある。

昔から人に感情を決められるのが嫌い。
悲しかったね、嬉しかったね、楽しかったね。
特に、『悲しい』の感情は。
私の感情は私だけのものなのに、なぜ言葉に出して確認してくるのか。
なので、本の感想を誰かと話したいとも思ったことがない。
オススメの本を聞かれても、正直、分からない。
その日のその瞬間に合う本は違う。
この数年、急に、本を読みたいと思えなくなった。
あんなに増えていった本棚の本が増えない数年が続いた。
その間、なにがあったのか。
日々に必死で人と関わる事が少なかったと気付いた。

また最近、本を読み始めた。
そして気付いたのだ。
また、人と関わるようになったことに。
今まで、『なんでそんなに本を読むのか』と聞かれても答えられなかった。
でも、理由の一つが分かった。

私は本から言葉を貰って、それを、貯めておきたいのだと。
大切な誰かが、嬉しい、苦しい、悩ましいと話すときに、大事な時に、言葉を間違えたくないから、その時に、貯めておいた言葉を渡したい。

私の感情は私のもので、目の前の大切な人たちの感情はその人のもの。 
だから、決めつけるような言葉だけではなく、もっとふんわり、丸い言葉を、そっと渡したい。

そのためには、人を傷つける言葉も知っておくことも必要。
実世界でそれを見聞きしたり発するのはごめん被りたいので、本の中で閉じ込めて、少しだけ教えて貰いましょう。
そのストックはもしかしたら、大事な人たちを悪意から守るためは使えるかもしれないし。

今日も本を読む
大切な人に、大事な場面で、少しでも相応しい言葉を贈れるように。


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