『心は孤独な狩人』感想

『心は孤独な狩人』カーソン・マッカラーズ著 村上春樹訳

おすすめ B
読み始めてからのスピード C
読み返したい A

総合 B+

内容 アメリカ南部の街のカフェに集う人々。みんなそれぞれ生きる苦しみを抱えているが、ある一人の聾唖の男だけが彼らの話を聞いてくれた。すべてを受け入れてくれる聾唖が、唯一心を開いて話せる友人は、精神病院に入れられている。苦難の人々を照らすカーソン・マッカラーズの筆致はどこまでも繊細で暖かい。

感想
こんなふうに読んでいる時間が心地よい小説はすごく久しぶりだ。めちゃくちゃ分厚いから、読み始める前は時間がかかりそうだなあと思ったが、読み始めると夢中になった。描かれる人々にはみんな苦悩があって、差別や貧困が色濃く残るアメリカ南部が舞台であるから、ひょっとすると、暗くストレスフルな話になりそうだけれど、どうしてか、読んでいて苦しくならない。むしろ、そっと包み込んでくれるような温かさを感じる。


注釈 評価の尺度

おすすめ:
たくさんの人に薦めたい A
最低1人は薦めたい人が思いつく B
特に誰かに薦めようとは思わない C

読み返したい:
3年以内に読み返す A
死ぬまでに読み返したい B
もう読まなくてもいいかな C

読み始めてからのスピード:
数日以内に読み終わる A
1週間以上1か月未満 B
1か月以上 C

総合評価
上の3つの評価を平均したもの。

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