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如月

1月に続き引きこもりの冬。支払予定のクレカの引き落とし額が少なすぎてびっくりした。このままでは、どこへも行かず、余計な買い物もせずとも、それなりに充実した休日を過ごすことに磨きがかかってしまう。実質賃金の減少と消費者物価指数の上昇に、身を削った我慢という最悪のかたちで適応してしまう可能性さえあるのではなかろうか。

さて、先日の出来事。2月なのに気温が20度近くまで上がった日。その夜の仕事帰りだった。地元の駅で自動販売機にダッシュでかけよったジャージ姿の女子高生がいた。視界のなかでの急な動きだったから反応してしまった。

バックパックから突き出たラケットらしきものと、その俊敏な動きに部活帰りかなと、通りすぎながらなんとなく観察した。彼女はノールックプッシュでオロナミンCを購入し、一気に飲み干していた。運動後の炭酸飲料は最高に美味しいよねって心の中で共感した。瓶入りでちょうどいい量だし、糖質補給はできるだけ早い方がいい。

オロナミンCといえば、わたしが初めて飲んだのは、こどものころに過ごした祖母の家だった。土間と呼ばれていたところに、クロレラのドリンクや瓶入りの三ツ矢サイダーと一緒に置いてあった。3時のおやつになると「これ飲みなさい!」って渡されたっけ。祖母もわたしも猫たちを膝に乗せながら「たんさんって、おいしいね」って一緒にゲップをしながら笑った記憶。

天国に旅立ってから30年以上経つ。いまも変わらず元気ハツラツでいてくれてたら嬉しいなぁ。たまにしか思い出さなくて申し訳ないけれども、あなたの孫は休みの日に朝のさんぽをしながら写真を撮ってます。そこからは見えないかもしれないけれども、おかげさまでいまのところ元気ですよ。と伝えたくなった。

たまたまジュースを飲む学生をみかけただけなのに、たった数秒のすれ違った時間なのに、ずっとずっと遠い昔のことを思い出す。記憶というのは不思議なもんだ。

とまぁ、そんなはなしでございます。

ということで、2月も残りわずか。

春はすぐそこ。冒険の誘いも貯まっている。花粉症さえなければなぁ。この目のかゆみ、くしゃみとサラサラの鼻水、喉のイガイガさえなければ、最高のはずなのに。


おしまい





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