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君とラヂオ

 バンドをしていた時代は、良くも悪くも自分の時間というのが全然無かった。例えばのんびり映画を見るだとか、どこかに遠出するだとか。
 今はラジオが中心で、忙しいことに変わりはないのだけれども昔よりは比較的自由な時間があり、あちこちに出かけられている。
 せっかくなので、早くバンドをしたい気持ちもあるが、今までできなかったことや行きたかった所に足を延ばすようにしている。

 先日、地元の海岸を攻める観光船に乗ってきた。いやはや、自然を前に人間というのはまったくもって無力であるな。
 そもそも海に出る船というのは、こんな晴天で波が全然なくても揺れるんだなぁ、ということ。そして何万年もかけてこの姿になった崖の地層や離島は何を思っているんだろう、ということ。そして海の透明度にただ感心し、日本海にもまだ知らぬポテンシャルがあるんだなぁということ。

 無論、それらは当たり前のように昔からそこにあって、私が知らなかったということだけなのだが。

「ここで少し海底をのぞいてみてください」
と船長さんに言われのぞいてみると、エメラルドグリーンの水面を通して海底の岩底がはっきりと見えた。
「ここで深さ5mあります~」
と船長さん。まじで!?30cmとかじゃないの!?

 ラジオパーソナリティをしていると生活のすべてがネタ探しだ。ホントはもっと日常の生活の中の話を面白おかしく話せたらいいんだけど、たまにまその日常の延長にある非日常を、一つの体験談として話すのも良きかなと思った7月。大切な思い出としても。

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