CUTTING EDGE(ZOC)について考える(前半)

 最近、追っかけているアイドルグループ、ZOCが「METAMUSE」に改名すると発表された。最近ライブに行けてなかったところで、そんなことになっていたとは。寂しさはある一方、本人たちが受け入れた(望む)変化には、ファンも付いていく他ない。
 しかし…。寂しさを誤魔化すため、今や生活音の一部にもなるZOCの楽曲達を、歌詞を読みながらまじまじと聞いてみた。
 そしたら、やっぱり。
 見れば見るほど面白い歌詞。そして、それを表現するメンバーたち。なるほど。心を埋めるための寂しくなる予定だった時間が、ZOCの面白さを改めて痛感する時間となったのである。

 以下は、歌詞を引用しながら自分の考察・感想(通称:オタク語り)を述べていこう。




自殺サイトも見飽きたし
君に会えたらこれからは
私がこんな人間って

誰にもバレずに生きてやる
乗るはずだった電車のドアに
挟まった革のベルト

そうだね大事なことはない
ちぎっちゃってくれていいよ
過ぎ去ってくれていいよ
そっちが行き先じゃないからさ

 物語のような歌詞が始まる。
 この世界に自分の居場所を感じず、自殺サイトを飽きるほど見て過ごす女の子が、誰かに出会ったら、自分の負の部分(この世界においてそう思われる部分)を隠して生きようという。
 元々の進行方向に進む電車は、私の本当の行き先では無かった。革のベルト(=私の持っていた何か?)が挟まっちゃったけれど、それは私にとっては大事なことではないから。今後はそれが無くなっても構わないんだ。

ところで、MV冒頭のり子氏のくるくるに引き込まれる視聴者の数や。日々、この人の才能に驚かされるばかりである。そして、ニチャァの笑顔が可愛い。

天井へ堕ちろ

見晴らしのいい地獄這いつくばって
凡庸以下の私だからこそ
肌荒れた青春を 剥がされた清純を愛すよ
生き様なんて大層なもんじゃもんじゃないかもだけど

 天井へ堕ちろの歌詞の強さに、急激にサビに引っ張られることとなる。この言葉は、次の歌詞(見晴らしのいい〜)に補完されることとなるが、次の歌詞のワードの強さもなかなかである。乗るはずだった電車に乗らず、進んだ少女の行き先は地獄だった。「見晴らしのいい」なんて爽やかな言葉を使用しているぐらいなので、それが彼女の望む行き先だったのかな、とも思わされる。それが、もしかしたら「天井(あなたの望む先)に堕ちろ(地獄)」なのではないか。

GIRL at the EDGE 端っこで生きてきた
だから最先端も私なんだ
永遠少女時代 時代を作るのは
流行りの顔面じゃない 見たことない女の子

 この世界で疎外感を感じ、端っこで生きてきた女の子。でも、そんな私は次の時代への最先端なんだよ。そう、時代を先取りした女の子というフレーズに、どこか大森靖子本人を感じる。
 しかし、「流行りの顔面じゃない」ってワード。ルッキズムに抗う大森靖子らしさを感じる一方、なかなかワードの意味を理解しきれない悔しさもある。


(太字部分は、作詞・作曲 大森靖子
 「CUTTING EDGE」より一部抜粋)


 歌詞に読み応えがあり、一旦1番で区切らせていただく。なお、あくまで個人の捉え方であり、私の中でも日々捉え方は変わるところになるので、筆者自身のいっ時の感情の影響があることを加味して読んで欲しい。
 また、敬愛なる大森氏へのリスペクトを込め、彼女の作った歌を雑に消費する事ないように日々自覚的に過ごしてはいるが、万が一失礼があった場合には申し訳なく、すぐに自らを改めたいと思う。

 歌詞とは関係ない部分だが、それぞれのパート割や踊りにも胸熱部分が多数あるのでぜひ別記事を作成したいところである。


ここまで読んでくれた方は、とんだZOCファンで、かつ日々読みにくい学生論文により鍛えられた採点者ぐらいだとしか思えませんが、ありがとうございました。それでは、また次回の投稿で。

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