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海外で通じなかった英語表現その1

私の英語はたぶん3歳レベルくらいかな。いろんな国の人と深い話をするにはとても... とても拙い装備しか持ち合わせていないのだけれど、そんな私も海外に行けば頑張って英語を話している。

そこで度々感じることがある「ああ私は日本人なんだなあ」ということ。私は日本語で思考して、そしてそれを英語に変換して、喋る、という作業を無意識に行なっている。英語の言語野が育っていない私はどうしてもこの「変換する」という作業が入ってしまう。

するとどういう事が起こるかというと、通じない。ちゃんと英語に変換できているし、文章としては合っているはずなのに、何故か通じないという事がたまに起こるのだ。

そこで私はハッと気づかされる。「これって日本語表現だったんだ!」ということ。そして言語って難しいなとしみじみ感じる。

つまり、実は日本語特有の表現だったのにそれに気づかず、そのまま英語に直訳しちゃった結果、元々の意味とは全く別の変な意味に伝わってしまう事があるのだ。

ということで今回は、「私が実際に海外で喋って通じると思ったのに通じなかった、実は日本語特有の表現だった英語表現」を書いていく。多分今後も増えていく気がするので、今回はその1としました。

形を変える ''Change the Shape''


いきなりかなり比喩的な表現だけれど、これは通じなかった。
ここでの日本語における意味合いは、自分の気持ちを無理に捻じ曲げるとか、人に合わせて型にはまるとか、そういう意味で使ったもの。(そもそも日本語として使い方が間違っていたら申し訳ない)

バンコクで出会ったこの子と、自分にとっての幸せって何だろうとか、そんなちょっと深い話をした時に、

''人に合わせて無理に自分の形(あり方)を変えなくていい。そのままの自分でいいんじゃないかな'' みたいな、そんな感じで使ったと思う。

彼女も英語ネイティブではなかったから、実際のネイティブには通じるのかどうか定かではないけれど、''I have no idea.'' って言われてしまった。

考えてみたら確かに「形を変える」って結構文学的な表現だったかもしれない。私は特に普段からちょっと抽象的な表現を使いがちだから、英語の時は気をつけないとなと思った。言葉を変えて説明しながら、言葉って奥深いよなあーと思った。

とがってるね! ''Sharp Personality''


またしてもコアな日本語だけど、これも勘違いされてしまった。
念のためここにおける日本語の意味合いは、個性が光るね とか、かっこいいねとか、そんな褒め言葉のイメージだ。

''結構とがった性格してるんだよね'' みたいな感じで使ったと思う。でも全然違った意味で伝わってしまった。どんな感じだったかというと、「え、感情の浮き沈みが激しいってこと?」と言われた。これは笑う。

つまり性格がとがってる=ギザギザ=感情の起伏が激しい、と思われてしまったらしい。うわぁ確かに、なるほど過ぎる。

多分この場合は普通に''Very Unique Personality''(個性的な性格)と言うのが一番よかったのかなと思う。幸いなことに相手はかなり日本語が堪能だったので、お互いに なるほど〜 する事ができたのだけれど、これは誤解されたままだったら結構問題だったかもしれない。

こうしてみると改めて、私たちが普段使う言葉は日本語独特の表現に溢れているんだなということに気づく。それは無意識に出てくるものだけれど、よく考えてみたらかなり比喩的だったりもして、日本語って面白い。おそらくどの言語にも ''独特の'' 言い回しというのはたくさんあって、そこにその文化とか考え方、ものの見方が滲み出ているんだろうなあと想像できる。伝わらないからこそ気づく、人が長い年月をかけて作り上げた奥深い言葉の世界。

染み付いたものだから普段は分からないけれど、こういう事があって初めてハッと気づく。ずっと日本語に浸ってきた私たちにとって、何が日本語的表現で何がそうじゃないのか気づくことは難しいけれど、想像力を使っていきたい。そして、私と同じように第2言語として英語を話すたくさんの人がいる。そんな人たちには度々こういう事が起きるんだろうなと想像する。慣れた母国語を離れてコミュニケーションを取るのは結構大変なことだと分かっているからこそ、敬意と想像力を持って、丁寧にわかり合いたい。


コミュニケーションを重ねるごとに、こんな気づきが増えていくような気がしています。またハッとすることがあったら、第二弾を書いていきます。

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