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MSWとして初めて関わった帰国支援の話

こんにちは、kayokoです。

先日、仕事で久しぶりに嬉しかったことがあったのでシェアさせていただきます!!

私がMSW(医療ソーシャルワーカー)として初めて帰国支援をした患者さんが、先日無事に帰国することができました。

脳卒中の後遺症で、全身の拘縮が強く全介助、失語でコミュニケーションもとれず、食事も摂れない状況で経管栄養でつながった状態の、きわめて重症な患者さんでした。

在留資格の関係で、役所の職員が勘違いをして国民健康保険の加入資格を喪失しかけたり、海外への搬送を依頼できる看護師がなかなかみつからないなど、様々な困難に直面しましたが、大使館関係者による協力もあり、なんとか帰国を迎えることができました。

経験もなく手探りで行った今回の帰国支援。

外国籍の方で、母国での治療を希望した場合の公的な支援(現地医療機関との連絡調整や、移送時の看護師派遣等)についても、私自身の知識・情報源不足によりリサーチが十分に行えないままであったことは反省点です。しかし、医療連携室としても帰国支援の経験をもつMSWは1人もおらず、どこからその情報を仕入れたらよいのかすらもわからなかったのです。

医療コーディネーターは、外国人の患者を日本の医療機関で「受け入れる」際に活躍する専門職のようですね。グローバル化が進み、ますます外国人患者の数は増えることが予想されますが、今回のように、帰国して母国での治療を希望した場合の情報があまりにも少ないことを実感しました。

例えば、海外旅行や赴任先で病気やけがをした場合に、母国で治療をしたいが、今回のように移動中にも、酸素投与などの医療処置が必要な場合の搬送をどうするのか。きわめて稀なケースではありますが、今後発生した場合の情報源を持っておきたいと感じた経験でした。

幸いにも、今回は民間のインターナショナルクリニックが行っている国際医療搬送の情報をインターネットで見つけご案内したところ、比較的スムーズに搬送の手配ができました。但し、移送にあたっての人件費・事務手数料などで総額約200万円ほどかかっており、今回はなんとかその資金を、現地の人から寄付を募り、支払うことができましたが、それだけ高額な移送費を負担できる人のほうが圧倒的に少数派だと思います。

外国人が安心して治療を受けられる体制づくりはもちろんですが、母国へ戻り治療を継続する場合においても、現地医療機関や大使館との連携、海外移送の手段など、方法論が確立される未来となることを願っています。

今日は病院を出発するとき、大使館の関係者数十名が2台の車で来院し、整列して患者さんを出迎えてくれました。

エントランスから出てきた瞬間、たくさんのカメラを構えた関係者たちが一斉に本人のもとへ駆け寄り、手を握りながらたくさん話しかけていました。

帰国先のインドネシアは南国ということもあり、暖かい人柄の方が多いと聞いていましたが、患者1人の見送りのために、これだけ多くの関係者が一斉に集まり、皆が彼を囲んでいる姿を見て、なんだかこみあげてくるものがありました。

病気になって失ったもの以上に、家族や人とのつながりを強くしてくれたような、そんな暖かさを感じました。愛されてるなぁ~~。彼は幸せです。

約2か月間という短い期間ではありましたが、MSWとして、手探りではありましたが、全力で関わってきました。不慣れな英語も、話すことはほとんどできなかったけど、手続きの説明をする時には、翻訳アプリをフル活用して、英語で資料を作成しました。

大使館関係者の方々は、私たち医療関係者に対して、たくさん感謝の気持ちを伝えてくれました。

MSWの仕事に、正解はありません。ただ、目の前の患者さんに対して自分ができることを真っすぐに考える。ただそれだけのことです。

これまでの積み重ねが報われた感じがして、本当に嬉しかったですし、これからもいろんな社会背景をもった患者さんを、広い視野で支援できるMSWとなれるよう、さらに自己研鑽に励んでいきたいと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました〜!!

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