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長女という生き物

私は長女であり、第一子だ。

アドラー心理学では、5歳前後から遅くても10歳までの間にライフスタイル(その人独自の思考や行動の傾向)が固まると言われている。その年齢では周囲の環境の影響を受けやすく、特に生まれてまず最初に関わる『家族』との関係は、大きな影響を与えると考えられる。

家族の中で、きょうだい(兄弟姉妹)の関係を考えるとき、何番目に生まれたか、もライフスタイルの形成に大きな影響を与える。
親の愛情・注目を受けるためにきょうだい同士は競合関係にある。例えば第一子は、下の子が生まれるまでは親を独占し、愛情も関心も一心に受け止めることになる。しかし下の子が生まれると、一気に親の関心はその子に奪われ、独占時代は終わることになる。その時第一子はどのように行動するかというと、駄々をこねたりいたずらをしたり、いわゆる赤ちゃん返りのような行動をとることで親の関心を取り戻そうとする子もいれば、下の子の面倒を見て「いいお姉ちゃん(お兄ちゃん)だねえ」とよい評価を得て注目されようとする子もいる。この判断がその人のライフスタイルの一部を作ることになる。

出生順位がすべてを決めるのでは当然ないけれど、ひとつの大きなファクターであることは確かだ。お姉ちゃんなんだから我慢しなさい、お兄ちゃんらしく泣かないの、などと言われ続ければ、何らかの形で自分の振る舞いを決めなければならなくなる。あくまで私の感覚だが、さらに長女の場合は母性的なものを、長男の場合は父性的なものを理想として教え込まれるように思う。だから第一子は責任感が強くなることを求められるし、面倒見がよかったり、矢面に立たされたり、優れていることが求められたりもする。

長女で第一子である私は、更に弟が6歳も年下であったため、それを暗に強く求められたように思う。いや、親は意識していなかったかもしれない。でも6歳も年上なら、随分先を行っていて当然なのだ。実際5歳の男児と小学校高学年の女子では、精神年齢は赤ちゃんと大人くらいに差があるのかもしれないが。

その結果、何でも自分でできると信じ、人に頼る経験を積まないで大人になるわけだ。それどころか親に頼られるので、頼られることが得意、頼られると自分の存在価値を感じる、ということになった。これは長女あるあるなのだと思う。でも心の奥底では、頼りたいのだ。自分ひとりで抱えるのはもううんざりなのだ。でも頼り方がわからない。人に頼る=面倒をかけると思ってしまうのは、自分が面倒だと感じていたからなのだろうか。

長女のみなさん、どうですか。
共感してくださる方がたくさんいると予想……

とはいえ、私は何年もかけてそこから一歩抜け出した。ライフスタイルは変えられるのだ。変える方法はあるのだ。

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