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【小説】SNSの悪夢

見つけた~、見つけた~、秘密の日記を見つけた子供の様にそう考えた、
彼女の隠してきた本音がある投稿を発見したのだ。

こんな事をしても、何も解決しないと解っていても、彼女の本心を探すのを止められない。

人間の本心なんて見ない方が良い、自分の本能はそう示している、だけど本能に従うのが正しいとは限らないじゃ無いか。

自分にそう言い聞かせてみても、この時代SNSを見るのは止められない、見なきゃいいは意志の強い人間の言葉だ。

意外とそこに在る本音は、剥いたら中身が無いかも知れない、そう玉ねぎの様にね。

だけど、剥く迄は玉ねぎとして形を保っているんだ、白い本音を守るように茶色い皮に包まれてね。

自分はその皮が彼女の心だと勘違いしたんだ、そう、タダの勘違いで好きに為って、大事にしたいと思っていたんだ。

そして、彼女を奪った者達に復讐しようとしていた、当の彼女はそんな事は考えてなかったのにな。

自分を騙した彼女には、反省して貰わなければ為らない、騙して無いなんて言葉は受けつかない。

彼女の複数あるアカウントの投稿を見て考える、彼女は何故これを残そうとしたんだ、自分の本心はしまって置くに限ると云うのに。

彼女の投稿はひっそりと自分の気持が書いてあった。

『結婚を決める時って、誰もが好きって事だけを大事にするのかな、それだけじゃないでしょ。』コメントを受け付けたその投稿にはコメントが在った。

『でも、スキじゃない人とは生活を出来ないでしょ、スキが一番大事だよね、他は二の次でしょ。』これは反対意見だ。

『そうね、スキも有るけど、ある程度のお金とある程度の才能は必要でしょ。』彼女はどうやって才能を見たんだ?才能を見たのならどうして出て行ったんだ?

『ねえ、才能って何処で見るの?大谷翔平じゃ無いんだから、見ても解らないんじゃない?』解かり易い質問だ。

『それはね、自分で見つけるのよ、今はまだ原石かもしれないじゃない、これから伸びそうな人をね。』

『誰も解らないけど、期待値が大きって話?でも期待外れって話も有るでしょ。』友達なのかな?

『そこはね、ちゃんと生活できる基盤を持っている人を選ぶのよ、だってさ生活できませんでしたなんて嫌でしょ。』舌を出した彼女が見えるみたいだ。

だが、自分の方は如何だったのだろうと考えてみる、愛なんて不確かな言葉で終えてしまえるほど、彼女への気持は大きかったのか?

彼女に憎しみしか感じていない自分は、愛が何だったのかを見失ってしまっているのかも知れないと。

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