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さかな屋お仕事memo

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さかな屋の仕事を通じて思ったこと・考えたことの雑記をまとめています。
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解消されないミスマッチ

2024年ももう1/6が過ぎようとしている。いつもより1日多いと入っても早くも過ぎ去ろうとしている2月を振り返ると、ミスマッチ、これを実感した毎日だった。 天候や自然環境に大きく左右される私たちの仕事は、お客さんの要望との解決できないミスマッチの連続だ。お客さんが欲しいタイミングで商品がないなんてザラで、私たち水産物の流通業者は、漁師さんたちが獲りに行ってくれなければ商品は手に入らないし、天候が味方してくれなければ漁師さんたちも仕事に出かけることができない。そうやって自然と

夜明け、の兆し、の気配

2月に入り2度目の週末。 1月は震災後ということもあり、非日常から日常へのグラデーションの中にいて、自分もお隣さんも世の中もそのグラデーションのどの辺りにいるのかわからなかった。(もちろんまだ非日常の真っ只中にいる人はたくさんいらっしゃるのだけど) お客さんも、県外人ぽいなと思えば、「復興支援で東京本社から来てます」とかがほとんどで。うちのメインの顧客層である、「県内の遠くの市町村のお客さん」はむしろ少なかった印象。 それが今週末辺りから、なんとなく県東部からのお買い物のお客

最近蟹が好きになってきた

最近蟹が好きになってきた。 とゆうのも、食べることが最近になりようやく好きになったとかではない(もちろん元々好きなので)。 モチーフや絵が好きになってきた。 以前のように、その生き物感に気持ち悪いとは思わなくなった。ように感じる。いや、モノによるが。 よく見れば見るほどに、まさに深海生物らしい見た目に、元々生き物全般が得意ではない私は、失礼ながら気持ち悪さを感じていた。 実は1年ほど前までは、「蟹売ってるから赤い服着てるの?笑」などの、相手にとっては軽いコミュニケーションで

「地産地消」って死語だっけ?

これまで、昔からその土地で生産され地域の人々に愛されてきた野菜や魚などが、生産者や流通業者、行政の努力により地域外へ発信されてきた。地域内でのみ消費されていたものの魅力が地域外の人々に伝わり、首都圏のいわゆる高級店で扱われることが増えた産品もあるだろう。それにより需要が高まり、価格が上昇することで、収入が増加した生産者もいるはずだ。 いわゆる「ブランド化」が目指される流れが大きくなった。 2004年には中小企業庁が、地域の特性を生かした製品の魅力を高め全国あるいは世界で高い

魚屋で働くメリット ~流通の始まりを見る~

私が魚屋をやっていて感じるメリットついて、現段階での一定の答えを。 . 地方の産地の魚屋の仕事は何か? 平たい言い方をすると、港で水揚げされた魚をお金を出して仕入れて、付加価値をつけて仕入れた金額よりも高い金額で売ることだろう。 この単純さが、私が生まれた家の魚屋を継いだ理由の1つだった。 . この仕事の居場所はサプライチェーンの最上流、経済活動の始まり。値段がつく前の生産物が競りにかけられ、初めて値段がつき、ここから取引が始まる。この地方の市場で値段がついて、そこから我