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明日には10億円以上の価値がある

という、インターネットミームが今年の春くらいから流行っています。主にTikTokなどのショート動画界隈で。この2人の白人男性の会話、もうご覧になりましたか?

もし俺が10億円あげるといったら受け取る?」という問いかけから始まる、この動画。問われた男性は、もちろん「受け取る」と答えます。

「じゃあ、そのかわり明日の朝、あなたは目を覚ますことはない。それでも受け取る?」
「いや、受け取らない」
「だろうね。だから、毎朝当たり前のように起きることは、それだけで10億円以上の価値があるんだ」

まさに、明日マネしたくなる小ネタ

――わずか十数秒で、なに、この説得力! ほれてまうやろー。

と、私のように感化された人が多いようで、コピペ動画やパロディ動画が大量発生。「泣ける」「めっちゃ響いた」「家族に渡す。募金する」「寝なければ大丈夫」「黄色い服を着た人に悪い人はいない」などなど、それぞれのコメント欄も大盛況です。

同じような内容だと「ジョブズ最後の言葉」というミームも有名ですね。「私は、ビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。しかし、いま思えば仕事をのぞくと、喜びが少ない人生だった……」というヤツ。

ただ、こちらは公式伝記の記述をもとに、フェイクと見る人も多いです。たしかに彼は、有名な米スタフォード大学の卒業式で行ったスピーチでも「死はたぶん、生命の最高の発明」と語っていますから。ミームは感動的でも、本人の哲学とは反しているようです。

人生の価値はお金では測れない、という趣旨には大賛成。でも、そこに至る文脈は、常に気にかけて置きたいもの。10億円のミームも、その背景を知れば、また別のストーリーが見えてくるかもしれません。


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