七種夏生(サエグサナツキ)

脚本と小説を書いています。書籍『5分で読書 アイツに届けわたしの想い』(KADOKAW…

七種夏生(サエグサナツキ)

脚本と小説を書いています。書籍『5分で読書 アイツに届けわたしの想い』(KADOKAWA)、RCCラジオ「ドラマの玉手箱」とか。メディアミックスが好きで出版されてないものは自分でシナリオ化⇔ノベライズなどして遊んでます。ヒットした作品を分析して原因を探るのが趣味。

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WORKS

WEB公開作品※タイトルクリックで作品ページに飛びます。 手頃に読める代表作 『三角形の頂点から垂線を落とす』 https://ncode.syosetu.com/n5750gx/ 5640文字、5分あれば読めます。 烏滸がましいのですが、米津玄師さんの『Lemon』を聴きながら、 『White Suns War』の1-18「一方的な愛は人に快楽を与えない」と3-16「告白の返事」を読んで、 30分くらいで書いた作品。 こんなに評価もらえるとは思わなかった。 これ読

    • 歩き回るのは明日で最後にしよう

      ほえーるけいこさんと しいたけ占いのしいたけさん.に 毎日と毎週癒されてます。 明日いいことあるといいなぁー!と思いながら更新楽しみにしてるけど、時々寝ちゃってる。 ほえーるけいこさんのDaily占い、最近よく一番のりするんだけど嬉しい言葉もらえます。 どんな感じか知りたい方はどぞ、♡押してみてください。 「私も嬉しいです!ありがとうございます!」 って伝えたいけど、どこかコメントあるのかな? そして明日はリアルにめちゃくちゃ歩き回る予定なんだけど、 もう最後にしよう

      • 酷すぎやしませんか、って日記

        1年ちょっとぶりに運動する習慣を取り戻しました。 めちゃくちゃきついし、なんか今日ついていけなくて苦しいなと思った。 筋肉ができるまで数ヶ月かかかって、それを超えたら身体が軽くなるとか言うけれど。 どうして人って、痛い思いしないと強くなれないのかな。 ちょっと酷すぎるんじゃないですか神様 ってことで、明日は掃除をします。 『愛してるぜベイベ★★』っていう育児恋愛漫画?が大好きなんですが、最後のほうのシーンでこころちゃんが「落ち込んでる時は掃除すればいいんだよ」って言って

        • 好きなセリフ

          画像クリックで該当シーンが読めます。 風を追いかける 神の一族と世界の王 White Suns War 一番好きな物語です。 パッと見てすげーってなる台詞は少ないんだけど、ストーリーやキャラクターをわかった上で読んだらめちゃくちゃ心に刺さる。 そんな言葉が多いです。 この子達だからこんな風に物語が進んだ、この世界観達だからこの性格の子達が生まれた。 という様に物語とキャラクターが一致してる作品です。 セリフってわけじゃないけど好きなシーン vol.2 新都心:海辺

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          1本

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          月と姫の転生物語 第8話(最終話)

          1.真意と本意  姫の友人達が去ってから一分もしないうちに姫が現れた。  そうなるだろうと予測していたが、やはり目の当たりにすると動揺する。  パタパタと階段を駆け上がっていた姫が足を止め、俺を見上げる。 「やぁ」  自然に笑えていただろうか。  手が震えてはいなかっただろうか、衣服は乱れていないか、おかしい所はないか。  誰かに見られることがこれ程までに緊張するとは。  少しでも良く見られたいと、格好をつける努力をすることになろうとは。  恋とはとても恐ろしく不思議で

          月と姫の転生物語 第8話(最終話)

          月と姫の転生物語 第7話

          1.紙屑の花  麻上との通話を終えた俺は、すぐさま石島のクラスへ向かった。 「授業中にすまない、石島はいるか?」  数学の授業中だったらしい。  一同の視線が俺に集まるが、それはすぐに石島へと向きが変わった。 「月詠くんと、讃岐くん!」  俺を見て首を傾げていた石島が、絋介の姿を確認した途端、机に手をついて立ち上がった。  目がキラキラと輝いている、彼の脳はなにを妄想しているのであろうか。 「どうしたの? なにか問題が起こった?」  授業中にも関わらず石島は席を

          月と姫の転生物語 第7話

          月と姫の転生物語 第6話

          1.反転  階段を駆け下りている最中、携帯電話を取り出した。  通話履歴から発信、相手は暇なのかワンコールで繋がった。 『やぁ、今朝ぶりだね』 「君は常に携帯の画面を凝視しているのか、電話に出るのが異様に早い」  嫌味を言ったが、藤宮はさして気にせずケタケタ笑った。 『偶々(たまたま)見ていたんだよ。で、今度は何かな?』 「君の仕事にクレームを入れたい。夜武羽姫の行動予定に関して、聞いていた情報が実際のものと異なっていた」 『あぁ、讃岐の家を早く出発したアレね』 「故

          月と姫の転生物語 第6話

          月と姫の転生物語 第5話

          1.情報屋の情け  朝食を終えて部屋に戻ると、繭の姿はなかった。  蟠(わだかま)りは残るが下手に構うほうが酷だ。携帯と必要最低限の荷物を持って、月詠の屋敷を出たのが午前八時。  学校まであと十分というところで携帯が鳴った、午前八時十五分。 『おはよう、帝』  携帯から流れる呑気な声。  相手は藤宮だった。 「君がこの時間に起きているとは珍しいな」 『朝早くに来客があったんだ。情報屋なんて呼ばれているけど、この立場も楽じゃないね』 「早寝早起きは良いことだ、君のような

          月と姫の転生物語 第5話

          月と姫の転生物語 第4話

          1.転.三度目の朝 * * *  目を覚ますと枕が濡れていた。 「……またか」  親指で瞼を押さえ、涙を拭った。  今日に限ったことではない。  姫や絋介と決別して、自室に引きこもってから一週間、ここのところ毎日これだ。  おかしな夢を見て、目を覚ますと泣いている。だが、どんなに考えても、夢の内容は思い出せない。 「おはようございます、先輩!」  威勢の良い声と共に、押し戸の扉が壁にぶつかる。  入口には日本人らしからぬ亜麻色髪の乙女が立っていた。 「おはよう、

          月と姫の転生物語 第4話

          月と姫の転生物語 第3話

          1.藤花の藤宮  最初に向かったのは、藤宮家。 「すげ、なにこの家」  呆然とする絋介が見上げるのは、藤花の枝が絡み付いた巨大な石壁。  三メートル近くあるだろうか、壁のほとんどが藤の枝で覆われていた。 「藤宮の本邸だ。名前くらい聞いたこと……ないんだったな、君は」  呆れたような視線を感じ取ったのか、絋介が頬を膨らませた。 「そりゃ、大貴族の帝は博識かもしれないけどさ」 「俺が博識なのではない、世間の常識だ」 「ていうか帝、なんでこんな大豪邸に?」 「十中八九、

          月と姫の転生物語 第3話

          月と姫の転生物語 第2話

          1.新章 * * * * *  姫と文を交わすようになり、三ヶ月が経った。  週に一度だったやりとりは頻度を増し、七日が五日、五日に一度が三日に一度の割合で手紙を書くことになった。  素直に淡々と渡せばいいものを、姫はもったい付けて恥ずかしそうに文を持ってくる。  その仕草がとてつもなく可愛くて、俺はますます姫に惹かれていった。  正面玄関から各教室へと向かうための渡り廊下。  背後に誰かの気配は感じていたが、やはり予想した通りの相手だった。 「文を……」  ややう

          月と姫の転生物語 第2話

          月と姫の転生物語 第1話

          1.竹取物語のその先 『竹取物語』という御伽噺がある。  日本国の平安という時代に創造された作物。  粗筋を簡素に述べると、竹から生まれた世にも美しい少女が有った。  竹取を生業としていた翁夫婦が彼女を見つけ、慈しみ年頃まで育て上げたその後、数多の男どもや主上までもが彼女の美しさに惹かれ求婚した。  しかし彼女は決して首を縦に振らず、月を見上げては枕を濡らす日々を過ごしていた。  唯一、主上とだけは文(ふみ)の遣り取りを繰り返していた。  日は刻々と過ぎ、彼女の故郷の民

          月と姫の転生物語 第1話

          『例えば、顔の見えない恋から始まる』

          4月中旬に演劇シナリオで上演予定あります。 無料公開、著作権は七種夏生にあるので4月下旬以降、商業利用可能です。 改稿も承りますので、お気軽にご連絡ください。 映像シナリオ 演劇シナリオ 小説 試し読み(小説バージョン) * * * 「元カレに連絡したい内容を、俺に送って来い」  彼氏と別れて一ヶ月、会社の先輩が言った。  返信が来ないと泣く私に、そいつにはもう送るな、と。 *  その日の夜、先輩へメッセージを送った。 『好き』って、それだけ。  たった

          『例えば、顔の見えない恋から始まる』