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【読書記録】滅私

羽田圭介さんの小説。
たまーに読みたくなるんですよね……何故かはわかりませんが。

突き詰めすぎたミニマリストの話。
物欲も過去も人間関係も捨て去る勢いで滑稽なまでに「滅私」に励む主人公。
そこに、主人公の過去を知る男が現れて、少しずつ周りが狂いだしていく。

主人公、冴津がどういう人間なのか、正直全く読めなかったです。
けれど、その「全く読めない」ところまでを含めてこの文章を書き、「滅私」というタイトルをつけたのだとしたら、恐ろしいと感じます(尊敬の念を込めて)

序盤は、本当に極端な冴津のミニマリストとしての生活が描かれていて、これはこれで他人の生活を覗くような、奇妙なリアルさがありました。
途中から段々と違和感を覚え始めて、最後の方はもう主人公がどこへ向かおうとしているのか、若干混乱しましたが、読後感は不思議と悪くなかったです。
(後味がいい、というわけではない)

物凄い脱線しますが、冴木はミニマリストからは程遠い、むしろ対極の位置にいます(物が多すぎるともいう)
ミニマリストという人たちは、自分の中で「無駄なものを持たない暮らしをする人」という認識なんですが、無駄なものあってこその人生な気がするので、あんまり減らしすぎるのもなあ、とぼんやり考えてしまいます。

何事もほどほどが一番です。
ということをこの本を読んで感じました。
しかしながら物が多すぎて物欲まみれもどうかと思うので、今週末は部屋の掃除でもしようかと思います。

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