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わたしたちはコロナ中に何をすればよかったのか

会社勤め時代の後輩で、プロの占星術師になった男性がいる。

彼は当時職場でも有名なイケメンで、思いを寄せる女子は多かったが、私とはなぜか恋愛抜きで気が合い、一緒に神社巡りの旅なんかをしていた。

彼はもともと占い好きで、得意分野はホロスコープを使った占星術だった。よく当たるので職場が一緒だった頃はたまに運勢を見てもらったりしていたんだけど、最近また付き合いが復活し、ときどきお茶などするようになった。

そして、ここ数年のうちに彼が大企業と法人契約する占い師にまで出世していたので驚いた。

もともと欲のない人で、私は彼はそのうち大好きなハワイかセドナあたりで、イルカの絵などを描きながら葉っぱを吸って自由気ままに暮らすんだと思っていた。現世よりスピリチュアルに重きを置く人だったから、そんな彼にとって今の景気停滞30年のニッポンは地獄以外のなにものでもなかったはずだ。

聞けば会社を辞めてからはエステや営業、リフレクソロジーなどいろんな職業を渡り歩いたけどうまくいかず、とうとう数年前に身体をこわし、財布に100円玉しかないようなところまで追い込まれた結果、ついに40代半ばで大好きな星読みの世界で身を立てる決心をしたのだという。

「けっきょくそれしかできなかったんだよ」

と彼はいうが、星占いで食っていくってそうとうな覚悟である。でも本当に続けられるものがそれしかなかったから、と彼はいうが、今振り返ってみると自分は時期的にもラッキーだったと彼は断言した。

なぜなら、彼だけでなく、世のすべての人にとって、ここ数年間はなんらかのバージョンアップが必要とされた時期だったからだというのだ。

そしてその、バージョンアップをしたかしなかったかの違いにより、今年2023年3月から2026年までに訪れる「大波」の影響が大きく変わるというのである。

また怖いことを言い始めたよこの人は、と思いながら「大波」ってなにが来るの、とこわごわ彼に聞いたら、いわく、世界恐慌から天変地異までなんでもござれ、の時期がやってくるという。

そのはしりが2019年12月から世界中を襲った新型コロナウイルスという「強制的ひきこもり」で、彼に言わせればまだこれはほんの序の口、本当のメインイベントはこれからやってくるのだという。

けれどもこのコロナ引きこもりの時期に、人それぞれなんらかの人生のバージョンアップができた人はラッキーだという。すなわち、これからは個々人これまでのやりかたが通用しなくなってくる時代が来るから、その前に人それぞれ、個性に合わせたなんらかの準備をする必要があったのだそうだ。

でもそう言われてハッとなったことが私にはひとつある。

なぜなら私が本格的に俳優業をやろうと決心し、演技の学校を受験したのが2019年の秋だったからだ。
そして年が明けて2020年1月、コロナの世界的流行と共に私の二年間の俳優修業はスタートした。

当然ながら授業はその大半が対面ではなくオンライン。半年ほど過ぎてようやく学校へ行けても全員マスクとシールド越しの演技レッスンである。
そうこうするうちにもひとり、またひとりとコロナに罹患して倒れていく。私も2021年の夏にデルタ株に感染し、中等症のすえ肺炎を起こして日赤病院のお世話になった。

けっきょくコロナが終わらないまま私は学校を卒業し、運よく事務所とのご縁を得て細々と俳優活動をスタートした(←今ココ)。
それが平時に授業を受けることとくらべてよかったのかどうかはわからないけど、二年間の学びを丸ごとコロナ渦中で過ごしたわたしたちの期が「コロナ世代」と呼ばれることだけは確実必至である。

でもそれを話したら、くだんの占星術師の彼は嬉しそうに私に言った。

「おめでとう。あなた、それ、この時期のベストの過ごし方だったよ」

そうなの? だってまだ全然結果なんて出せてないよ、と私は言ったが、結果はこれからやってくる、今ここまでになにをどれだけ積んだかが重要なんだ、と彼は言う。

お稽古事でも資格をとる勉強でも自分磨きでもなんでもいい、なにか今までと違うこと、これまでの自分がクリアできなかったなにかをクリアすべく積極的に取り組むこと。
もうすぐ来る「なにか」のために、この世界中がとまった時期になにを積んだかが大事だというのだ。

本当は世界中の人がそれをやることを神は望んでいたんだけど、今からでも決して遅くはないと彼は言う。ひとりでも多くの人がそれをやるほど、神はそれを喜ぶというのだ。
彼の言う神、というのがまたなんなのかよくわからないんだけど、これからなにか激動の時代がやってくることくらいは鈍い私でも想像はつく。

でも、思えば演技の経験のないまま映画に出て大恥をかいたのが2019年の夏、そのときに感じた「悔しい」という思いが、私を演技の学校へ走らせたのはどうやらラッキーなことだったらしい。
というのは人間、なにか追い込まれることがない限り、めったに大きな行動など起こせないものだからである。

というわけでこの有料情報(私は彼にちゃんと鑑定料12000円払いました)、役に立ったと思う人は投げ銭でもお願いします。
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