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対話とことば

藤平さんの写真と対話の話題から、「対話」と「ことば」の関わりが気になり出しました。研究員の谷内です。

以前、近所の犬を大好きな子が我が家に遊びに来ていた時のことです。彼女は確か幼稚園に入る前ぐらいの歳の子でした。リビングでパルという名のゴールデンリトリバーを枕に寝そべったり、馬乗りになったりして犬をおもちゃにしてました。犬のパルが動こうとすると首にしがみつくは、尻尾を引っ張るはで、犬の方は勘弁してくれという状況でした。なんとか対面して落ち着かせ、オスワリさせた犬の垂れた両耳を指で立ち上げてみたら、彼女は「犬みたい」と言ったのです。指を離して垂れ耳にしたら「パルだ」というのです。何度繰り返しても、「犬みたい」「パル」でした。ちなみに、その子の家では耳の立った秋田犬がいて、耳が立っているのが犬だというイメージができていたようです。

犬にはいろんな種類あって「犬」ということばとその意味がわかるようになる年齢はいくつぐらいなのでしょうか。「犬みたい」ではないですが、同じ様に「対話」とはそもそも何だろうか、小供にもわかるようにことばで説明できるだろうかと思考がもたつき始めました。

さて、対話から連想すると......。
話し合い、会話、論議、論議、討議、激論など広い意味での対話に含まれるのかも知れません。 そこには話し言葉が介在していますが、売り言葉に買い言葉となると口論であり、言い合いや押し問答となると対話とは言えないのではないでしょうか。 そこで、対話・たいわの語呂合わせをやってみることにしました。語呂ああわせとは、我が国の伝統的な言葉遊びです。遊びながら年号や数学のルートの覚え方を含めて、いろんなイメージを導き出すこともできます。

対話の語呂合わせ、「たいわ」に他の音や意味の異なる文字を当てはめてみると、対和・対羽・対輪・対把・対我・対分・対環 ...... ...... 体話・大話・泰話・隊話・帯話・諦話・耐話・退話・態話・堆話・戴話 ...... ...... 多移話・他異和・太意輪・誰射環・他意わ・他移wa ...... ...... 語呂合わせの中から、いろいろなイメージが浮かんできます。

この思い浮かべるイメージは人それぞれです。どの言葉を選ぶか、そしてどんなことが想像され、なお、連想される・出来るのかがポイントです。 ちなみに語呂合わせの「体話」から、対話は言葉だけでなくジェスチャーやしぐさも忘れてはならない要素なのではないかと改めて思い直しています。

このように言葉遊びは、困ったときの新しい断面、考え方や打開策を見つけるきっかけにもなる気楽な思考方法です。 おしまいに、『やまとうたは、人の心を種としてよろずの言の葉とぞなれり.........』古今和歌集、仮名序の冒頭を借用させていただきます。

文/谷内眞之助(Safeology研究所研究員/兵庫・神戸CSの会特別会員)

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