田舎の公立中学校で外部指導者を導入してみた話①

こんにちは!株式会社WIDEの北原です。

今回から、何回かに分けて佐賀県立鹿島市立東部中学校(以下、東部中)サッカー部にて行っている『sukusupo』実証実験のレポートを更新したいと思います!

まず、第一回目の記事となる今回は弊社サービス『sukusupo』の概要と、東部中サッカー部で実証実験を行うことになった経緯についてご説明します。


1.『sukusupo』の概要

1-1 自身の原体験をもとにした部活動への課題意識

私自身、高校時代に佐賀県内の公立高校で部活動をしており、競技経験の無い先生が顧問をされていました。そのため専門的な指導を受けられず、「もっと内容の濃い練習をしたい!」と思っていた生徒が部内に多くいたことを覚えています。

全国の高校で競技経験の無い先生が顧問をされている割合は、26.7%だそうです。実際、この事業を立案し様々な方々に話を聞きましたが、「卓球部に所属していたが顧問の先生は卓球の経験はなかった。生徒も大変だったが、顧問もきっとジレンマを抱えていたと思う」と言った声もありました。

こういった事例は生徒にとってだけでなく、未経験の中、生徒の期待に答えようと日々努力している先生方にも大きな負担をかけているはずです。

また、冒頭「26.7%」とお伝えしましたが、実際にはこの数字を上回るニーズがあるものと考えています。そもそも先生方は多忙を極めており、部活動の指導を十分に行えていないケースも少なくなくありません。また、「競技歴がある」から「専門性がある」とも言えず、競技歴があっても指導法で困っている先生方が存在することも事実です。

1-2 『sukusupo』の概要

『sukusupo』は、こうした課題を抱える部活動に外部指導者を届けるサービスです。

外部指導者を雇用するためには、「財源」と「人脈」が必要です。

しかし、特に公立高校では、財源が十分に確保できないという声をお聞きします。また、競技歴のない先生方はその競技における人脈も乏しいことが多いようです。 

そこで、『sukusupo』は部活動の人材マッチングと財源確保を助けます!

人材マッチングを助ける手段としては、外部指導者の「タレントプール」を提供します。『sukusupo』では、あらかじめ外部指導者として従事することを希望している人たちにタレントプールへ登録してもらい、部活動が外部指導者を任用する際にご活用いただきます。

財源確保の手段に関しては、現在、検討中で今回の実証で試すことができていないため、また別の機会で書かせていただきます!


将来的には、財源の確保から人材のマッチングまで、ワンストップで行うことができるようなサービスを目指して『sukusupo』をつくっていきますが、今回の実証では、「人材マッチング」の部分をご活用いただきました!

2. 東部中サッカー部で実証実験を行うことになった経緯


2-1 東部中への訪問

まず、初めて東部中を訪問したのは今年の3月でした。そのときは、学校の先生から、部活動の状況について生の声を聴きたいということで、東部中の部活動の状況や外部指導者の任用状況などについてお話を伺うためにお邪魔しました。

その際、ご対応いただいた体育主任の先生(以下、A先生)はサッカー部の顧問の先生でした。A先生は、剣道が専門であるにも関わらず、東部中に赴任されてからずっとサッカー部の顧問をされているとお聞きしました。

そのとき、「体育の先生でさえも、専門の部活動を担当できないのか。。」とショックを受けたことを覚えています。

その日は、色々とお話を聞かせていただいたあと、簡単に『sukusupo』のサービスについても説明をし、学校を後にしました。

2-2 顧問の先生からの連絡

年度が変わって、今年の4月。一度、東部中を訪問した際に連絡先を交換していたA先生から突然電話がありました。

「今年度も、サッカー部の顧問をすることになりました。保護者にWIDEさんの取り組みを紹介したところ、中体連まで指導してもらえる方を探してほしいという話があがっているのですが、お願いできませんか?」

突然の連絡に驚き、「やれるかな?」と不安に感じながらも、気付いた時には

「はい!是非、力になりたいです!」

と言っていました。

というのも、ちょうどその時期に、『sukusupo』の実証実験を行いたいと考えていました。

一度、ご活用いただくことで

・弊社サイドでどのような手続きが必要になるのか
・先生方、子どもたち、保護者の方はどのような感想を持たれるのか

など、明らかになってくる部分もあるからです。

ですので、不安はありながらも、願ってもないチャンスということで、即決させていただきました。

改めて、このような機会をいただき、感謝です。。

2-3 指導者の選定

A先生からの連絡を受けて、早速、指導者候補の選定を始めました。

まず、真っ先にお声掛けしたのが地元の社会人サッカークラブです。
このクラブは、九州リーグ(5部相当)に所属しており、天皇杯の佐賀県予選でも例年、上位に入ってくるようなチームです。

このチームの監督の方に、今回の件を相談したところ、「指導に参加できる選手が2名いる。平日の指導は基本的にOKだが、休日は社会人リーグの試合があるため、難しい場合もある」という主旨の回答を頂きました。

このことを、A先生に伝えたところ、「実績・経験ともに素晴らしい方に来ていただけるのはとてもありがたい。是非、お願いしたいが、休日の指導ができないことは少し気になる。中体連までの休日は基本的に試合が入っているため、できれば休日も指導できる方にお願いしたい。」という主旨の回答を頂きました。

また、指導料にかかる費用の面も、「保護者と相談する」というご回答をいただきました。


A先生からの回答をもとに、様々な角度から検討した結果、弊社の中で

・東部中サッカー部が求める人材を現状のタレントプールの中から紹介することは難しいかもしれない。
・今回は特に1回目の実証であるため、できる範囲で先生方、子どもたち、保護者の方のご要望を最大限に尊重したい。

というような意見が出ました。

そこで、1回目の提案時に、挙げた地元のサッカークラブの選手とあわせて、私、北原誠大を候補として載せ、提案を行うこととしました。

というのも、実は私は、大学1年生の頃から地元の高校で外部指導者の経験を積んでおり、日本サッカー協会公認C級ライセンス並びに3級審判ライセンスを保持しております。

また、平日・休日ともに指導が可能であり、学校から車で10分圏内のところに居住しているため、今回の東部中サッカー部からのご要望に一番的確に応えることができるのは私自身かもしれないと思い、恐縮しつつも候補として提案しました。

次は実際に保護者の方、顧問の先生とお話をする場を設けていただき、2回目の提案をさせていただきました。

2-4 顧問の先生・保護者の方々との話し合い(超緊張)


ついにその日がやってきました。

フォーマルな服装に身を包み、WIDEの仲間と合計3人で東部中に向かいました。

勝手に、お母さま方を想像していたのですが
扉を開けると右から、


お父様、お父様、お父様。。。


ということで、保護者の方を交えた話し合いは

計3名のお父様+A先生、校長先生 と WIDEの3名 で行われました。

場所が校長室ということもあり、校則を犯して校長室に親子で呼び出されたかのような緊張感を感じ、変な汗がたくさん出たことを覚えております笑

緊張で、あまり記憶がありませんが、結果としては、休日の試合を指導できる人をということもあり、私、北原を外部指導者として任用いただくことになりました。

(前述の地元サッカークラブの方には、また別の機会でご協力いただければと思い、ご連絡いたしました。)

また、指導料に関して、今回は私自身、辞退したものの

「子どもたちのためなら、ある程度の出費ならばいとわない、ということで保護者の中で結論が出ていた」

と、ありがたいお言葉もいただきました。

こうして、「外部指導者を探している部活動」と「指導可能な外部指導者」のマッチングが成立し、株式会社WIDEとして初めての事例が動き出すこととなりました。

その後は、できるだけ早く指導を開始するために、正式な手続きを進めてくことになりました。(これも、今後の参考になりました。)

※その後の、事務手続きに関しましては、割愛させていただきます。


次回予告

次回の記事では

・指導開始までの準備(ココは本来、外部指導者と顧問の先生、WIDEの3者間で協議をしながら進めることになります)

・指導開始!

の2本立てで参ります!お楽しみに!


つづく・・・




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?