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戦いから「ダイバーシティへの理解」は生まれない

森元首相の発言からダイバーシティに関する話題が盛り上がっている中で思い出したのが、「北風と太陽」の話です。

「これが間違っている」「こういう考え方はダメだ」という声を発するのはもちろん大事なことなのですが、これって限りなく「北風アプローチ」に近く、「間違っていることを分からせる」という戦いのイメージがつきまといます。

そもそも、「人の考えを他人が変える」なんてことは、よほどのことがないとできないし、たとえ相手がその場で分かったような気になったとしても、実行に移すかどうか、それを持続できるかどうかは別の問題だと思うのです。

それならいったい、どうやったらダイバーシティへの理解が深まるのか——。先日取材した、味の素さんの取り組みの中に、そのヒントがあるように思いました。

味の素さんの取り組みは、「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見に気付く)研修」を通じて、“自分では気付いていなかった自分の中にある偏見”を知ってもらおう——というもの。ポイントは、「人に言われて」気付くのではなく、「自分から」気付くこと。自分の頭で考え、気付いたことは、その人の中にしっかり根付くので、より行動変容につながりやすいのではないかと思うのです。

このような伴走型の「太陽的な」アプローチの方が、時間はかかるかもしれないけれど、本質的な変化につながるような気がしています。

何かを大きく変えようとするときには、「闘う」だけでなく、「寄り添って巻き込む」ことも大事なのではないかと思う、今日この頃です。

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