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あの日の、この日

終戦の日

あの日の、この日

と鮮明に語り出してくれる語り部さん
もう、どれほどいるのだろうか

語りつぐことで、
戦争のない世界を訴え
語り継ぐことで、
同じ過ちを、
悲劇を起こさせない

その想いだけで、
戦争を生き延びた人々は
今もなお、
声を押し殺し
心をすり減らしていく

傷口をなん度もえぐり
瘡蓋を何度でも剥がしていく

そこまでさせてもなお
終わりのない、戦争

終戦記念日と表記を一部で見るたび

記念日ではない

戦争は一度たりとも美化できない
戦争に勝ち負けも、ない
戦争の被害者はいつだって
一般市民

子どもたちの未来をも奪っていった
憎しみだけ残して

生きててよかった

という言葉は、
当事者には響かない

そう、

生き延びた側の苦しみは
誰にも癒せない

破壊された街は建て直せても
破壊された人々の心は修復できない
リセットボタンもなく
責任感のない、戦争

戦争と二人三脚は、経済

破壊されていく祖国
壊された日常
泣く人々

その真裏側には

利益を生み出し
豊かになっていく国々
潤っていく日常
笑い合う人々

駒にさせられ
代理戦争が繰り返される世界

生き延びた人々の声に
耳を傾けてほしい

いや、

戦争を語らせ続けていく
この残酷な世界を終わらせてほしい。

いつまでも
戦争体験者

いつまでも
被爆者

いつまでも
戦争孤児

肩書きみたいになっていく

のぞんでもいないのに
いつの間にか

加担させられた、戦争
いつの間にか

そう、

いつの間にかが、

戦争の足音。

どうか
かき消さないで
この地球に残された最後のピースを
第9条の意味を

どうか、
あなたの平和を
見離さないで

約束して
生きていて

生きられなかった
祖先の分まで

今の世界を

いつかは
戦争反対を唱えなくてもいい
そんなキセキを夢みて。

サヘルより

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