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『だっこちゃん』の流行と差別~昭和の日本社会を映す玩具の物語

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『だっこちゃん』という人形は、1960年に発売された空気で膨らませるビニール人形で、若い女性を中心に大ブームを巻き起こしました。

しかし、その人形のデザインや愛称には、当時の日本社会における黒人やアフリカに対する無知や偏見が反映されていたとも言われています。

では、なぜ『だっこちゃん』は流行ったのでしょうか? そして、その人形は本当に差別的な意味合いを持っていたのでしょうか?

まず、『だっこちゃん』が流行った理由としては、以下のような要因が考えられます。

【目次】
~流行った理由~
1,シンプルで可愛らしいデザイン
2,メディアの影響力
3,黒人文化への関心

~差別があったかどうかの真偽~
1,商品名や愛称の問題
2,デザインの問題
3,社会的な問題

  • シンプルで可愛らしいデザイン
    『だっこちゃん』は真っ黒な人型で、両手足が輪状になっており、木にしがみつくコアラのようなポーズをとっています。

このディフォルメされた姿は、目玉が閉じたり開いたりしてウィンクする特殊なシールが付いていることも相まって、可愛らしさを感じさせました。

また、腕などに抱きつかせることができる機能も、愛着を持ちやすいという点で魅力的でした。

  • メディアの影響力
    『だっこちゃん』はテレビや雑誌などのメディアによって大きく取り上げられました。

特にテレビでは、1960年ローマオリンピックの日本代表選手が腕にぶら下げて羽田空港を出発する風景や、大相撲夏場所の中継でテレビ画面の端にぶら下げた女性が映り込むという騒動が起きました。

これらの映像は、『だっこちゃん』を持つことが流行やステータスの象徴であるという印象を与えました。

  • 黒人文化への関心
    1960年代は、アメリカで公民権運動が盛んになり、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアやマルコム・Xなどの黒人指導者が活躍しました。

また、ジャズやロックンロールなどの音楽やダンスも日本に紹介され、若者の間で人気を集めました。

これらの黒人文化への関心は、『だっこちゃん』を持つことが新しい感覚や価値観を表現する手段となりました。

次に、『だっこちゃん』が差別的な意味合いを持っていたかどうかですが、これは一概には言えません。

しかし、以下のような点から、当時の日本社会における黒人やアフリカに対する無知や偏見が反映されていた可能性は高いと言えます。

  • 商品名や愛称の問題
    『だっこちゃん』は発売当初、「木のぼりウィンキー」、「黒ん坊ブラちゃん」という名前で売り出されました。

これらの名前は、黒人を木登りする動物や黒く汚れた子供として揶揄するようなニュアンスがあります。

また、後に付けられた「ダッコちゃん」という愛称も、黒人を抱きつかせることで自分の白さを強調するという意味があったという指摘もあります。

  • デザインの問題
    『だっこちゃん』のデザインは、黒人の特徴を極端にディフォルメしたものでした。

その姿は、黒人を野蛮で未開な存在として見下すようなステレオタイプを反映していたと言えます。

また、『だっこちゃん』は空気で膨らませるビニール人形であり、簡単に破れたりしぼんだりすることもありました。

これは、黒人を安価で使い捨てることができる物として扱うという暗示があったという見方もできます。

  • 社会的な問題
    『だっこちゃん』が流行した当時の日本は、第二次世界大戦後の高度経済成長期であり、アメリカの影響下にある一方で、アジアやアフリカの国々との関係は希薄でした。

そのため、黒人やアフリカに対する正しい知識や理解が不足しており、無意識的に差別的な態度や言動をとっていた可能性があります。

事実、『だっこちゃん』は一部の黒人団体から抗議を受けたり、人権問題で製造販売が停止されたりすることもありました。

以上のように、『だっこちゃん』は当時の日本社会における黒人やアフリカに対する無知や偏見が反映されていたとも言えますが、それは必ずしも悪意や敵意に基づくものではなく、新しい文化や価値観に触れることで変化し得るものでもありました。

その証拠に、『だっこちゃん』は2001年に復活しましたが、その際には人権に配慮した新しいデザインとコンセプトで登場しました。

また、色も黒のほかピンクやブルーなど多彩なバリエーションが用意されました。

これは、日本社会が国際化し多様化する中で、黒人やアフリカに対する認識や理解が深まり、差別的な視点から脱却していったことを示しています。

『だっこちゃん』は昭和を代表する玩具として歴史に残っていますが、その背景には当時の日本社会の状況や風潮が反映されています。

その意味では、『だっこちゃん』は単なる玩具ではなく、日本の歴史や文化を考える上で重要な資料でもあると言えるでしょう。

P.S.
いかがでしたでしょうか。

自分は知りませんでしたが、当時は人気だったんですね~

ですが、複雑な時代があるようですね。
良くも悪くも価値観の変化が分かりました。

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最後まで読んで頂き、どうもありがとうございます。

それではまた次の記事でお会いしましょう♪

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