圧倒的情けない大人小説 『愛が嫌い』町屋良平

おおきくなる、つよく逞しく、この夜を越えてゆけ。

自分の、ひとつひとつの輪郭がぼやけて、危機感をもてないまま
今日も一日をやり過ごす。就職して恋愛結婚して、その先に何があるだろう。
地震に金融崩壊。カタストロフに満ちた社会で、丁寧な明日をうまく保てない。
ある日、夜の川のたもとで出会った少年。女友達の幼い子ども。
そして舞い込んできたルームメイト。時を重ねて、夜の時間がほどけてゆく。

黄昏日本の、みずみずしさをたたえた青春物語。
「しずけさ」「愛が嫌い」「生きるからだ」の3作を収録した
新芥川賞作家の飛翔作。

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半年くらい前に神田古書祭り的なので買ったまま放置していた『愛が嫌い』を読んだ。最近あらすじを読んでもよく分からない本ばかり読んでいる気がする。
『愛が嫌い』は深夜のファミレスバイトで生計を立てている小林が、友人の息子のひろを保育園に迎えに行って友人が帰ってくるまでの30分間を一緒に過ごす話だった。ひろは2歳だけどまだ話せなくて、小林はひろのまだ話せないという非社会的状況とフリーターである自分の非社会的状況を重ね合わせて甘えている……らしい。正直難しすぎてあんまりよく分からなかった。多分ひろがどんどん大きくなっていくにつれ、小林の存在に疑問を持ったり、大人がちゃんと大人でいないといけないみたいなことだとは思う。多分。まだ何も分からないし伝えられない相手だからいい、みたいな。でもやっぱりよく分からない。何か分かるようになったらまた感想を書こうと思う。

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