生存競争の厳しい業界で生き残る人たちって
先日、元セレブタレントさんがご自身が18歳だった頃、某大御所タレントに枕営業を持ちかけられたと、当時の事を赤裸々に告白されていました。
なかなかの内容で衝撃的でしたが、この手の告発は受け取る側の年代によって随分違うかもしれない、とも感じました。
もちろん、全てが事実であれば。
芸能界に限らず、このような事は許されるものではありません。ましては未成年に対してなんぞ言語道断です。
煌びやかで輝かしい芸能界。この業界には、稀に見る美貌であったり才能を持ち備えた生まれながらのスターもいるでしょう。しかし、そんなダイヤモンドの原石みたいな人は、言うまでもなくひと握り。長い下積み生活、誰かに知られる事もなくひっそりと引退する人の方が多いかもしれません。
そもそも「テレビ」に出ることが有名人であることの頂点だったような時代、少なくとも世の中は今のようなクリーンな時代ではなかったはず。さらに歴史を遡れば、興業師というダークな存在も見え隠れします。上下関係のはっきりした業界で、生存競争に勝ち残る自体、並大抵ではなかっただろうと容易に想像してしまいます。
しかし時代は進み、今は素人同然の個人であってもメディア操作できるようになっています。芸能界という業界も昭和と令和では様変わりしたはずだし、メディアに登場する人たちもひと昔前とは一変したように思えます。
パワハラセクハラの悪しき慣習が蔓延っていた「昔」も知る人が見た今回の内容、反社会勢力なんてタブー中のタブー、業界内でも働き方改革が推進される「今」しか知らない人が感じたメッセージ、時代背景の差によっては攻めるべきターゲットが異なったのかもしれない。
若年層ではお茶の間で人気のお笑い芸人をこき下ろす発言が一際目立ち、もう少し上の世代ではオブラートに包みつつ、時代背景に言及するコメントも目にしました。
悪しき業界が産み出した虚像の王様の申し出に対し、正しく擁護してくれた大御所芸能人やお笑い芸人もいた。一方、競争原理が激しい不健康な時代背景で、擁護するイコール業界から干されるような弱々しい自分の保守に回った人気芸人。18歳の所属タレントに対し、謝罪に向かわせるという1番あり得ないと思った選択をさせた所属事務所。なんというパワーバランス。なんてイカれた業界だったんだという事実に変わりはありませんけど。
でも、
責めるべき人は1人だけなのでしょうか?
人気芸人から全ての仕事が無くなれば解決なのでしょうか?
過去の過ちについて、人はいつまで十字架を背負わうべきなのでしょうか?
(※これ犯罪レベルになると話が違います)
などなど、
色々と考えてしまった告発でした。
(念押し)全てが真実であれば。
聖人君子ばかりが集まり、健全でセキュリティに守られた業界なんて存在するのだろうか?
ことの良し悪しについて、自分は過去も未来も即座に正しい対応ができた、できると断言できるであろうか?
咄嗟に自分の保守に回る行為に走ったりしないだろうか?
自問自答です。
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少し論点がずれてしまうけれど、先日、娘の宿題でこのような問題文がありました。宿題を見つつ、こんな問題が出るのねーと思わずしっかり読んでしまいました。
この記事に記しておきます。
あんなぁ耕ちゃん。父ちゃんが言ってるよ。しかられても、しかられなくても、やらなきゃあならんことはやるもんだって」「しかられても、しかられなくても……うん、そうか、わかった」
今度は権太の言葉が、耕作の胸にすぽっとはまりこんだ。
いつの間にか、耕作の心の中には、よりほめられたい思いがうず巻くようになった。ほめられたいと思うことは、またしかられまいとすることであり、だれにも指をさされまいとすることでもあった。しかられるということは、いつもほめられている耕作には、たえがらいはずかしさであった。それが今、権太に言われて、はじめて自分のどこかがまちがっていることに気がついたのだ。
三浦綾子「泥流地帯」より
一部抜粋
問題:「自分のどこかがまちがっていることに気がついた」とありますが、耕作は自分のどんな点をまちがっていると考えたのですか。「人」という言葉を使って、二十字以内で答えなさい。
「たとえ叱られたとしても、自分が正しいと思ったことはしっかり主張する」
シンプルだけど、大事ですね。
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