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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと

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連載の小説。三十歳になったぼく。大学時代を振り返る。 亮介さんは、大学の先輩。クセの強い、変わり者。 あおいさんも大学の先輩。海外志向の、ちょっとワガママな女性。 亮介さんとあお… もっと読む
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2018年9月の記事一覧

「亮介さんとあおいさんとぼくと」についてのまえがき兼あとがき

こんにちは。雑賀です。 第1話はこちらです。 「亮介さんとあおいさんとぼくと」が完結しま…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  18/30

けっきょく、彼女が何を求めているかよくわからなかった。すくなくとも、ぼくが一方的に求める…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  19/30

あおいさんとねんごろになったあと、どちらかの気が向かない時は、いっしょに寝るだけだった。…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  20/30

あおいさんがドバイから帰ってきたあと、亮介さんはあおいさんに、きっちりと復縁をせまった。…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  21/30

「わたしは、いくらだれかと関係をもっても、亮介のことはすきだから、そこに心変わりはまった…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  22/30

《8 はじめての女性》 奈良県民のぼくにとって、兵庫県というのは、都会で、華やかなイメー…

雑賀千尋
5年前

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  23/30

ぼくには夢がなかった。じぶんでじぶんが何をしたいのかがよくわからなかった。世界を変えたいとおもっていたが、世界を知れば知るほど、勉強すればするほど、そんな簡単にいかないことがわかってきた。なので、じぶんの人生をしっかり生きようとおもった。 じぶんの人生を生きるということにしてから、これまでちゃんとじぶんと向き合ったことがないのに気づいた。夢がほしかった。そういうわけで、夢がたくさん詰まってそうな自己啓発本をよく読むようになり、感化されるようになった。 まずやったことは、十

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  24/30

じぶんがいかに欲望の少ない人間かということがわかったと同時に、強くもない欲望を、ぼんやり…

雑賀千尋
5年前

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  25/30

ゲスでない不倫がどこにあるのか。そんな不倫があったら、ぜひ教えてほしい。ある芸能人が不倫…

雑賀千尋
5年前

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  26/30

「この人とあたしはするんやろうなって直感的におもったわ」彼女はそういった。 そのままつ…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  27/30

《9 東京》 この部屋とも、これで最後かとおもうと感慨深い。陽子さんとの合戦も、あおいさ…

雑賀千尋
5年前

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  28/30

東京というのは、奈良からはずいぶん遠くて、縁がないところだった。家族で何度か足を運んだだ…

雑賀千尋
5年前

【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  29/30

そうやって、他人のしあわせをひがんでいるうちに、ぼくは三十歳をむかえた。実は、ぼくはここ…

雑賀千尋
5年前
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【小説】 亮介さんとあおいさんとぼくと  30/30

けっきょく、あおいさんとのことは、彼には気づかれなかった。あるいは本当は気づいていたけど、黙っていたのかもしれない。ぼくとの関係、あおいさんとの関係、そして三人でいる関係を尊重したのかもしれない。 大学を卒業したあと、亮介さんもあおいさんもぼくも、東京で働きはじめた。じきに、あおいさんはドバイで知り合った彼氏とは別れた。 あおいさんは迷いながらも、亮介さんと、どちららかというと恋人にちかい交際関係をしていた。そして、迷いなく、ぼくとは、どちらかというと恋人とはいえない交際