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町はかわっていく

私の地元はいわゆる郊外的な、住宅街的な、田んぼを埋め立てて、つくられた「町」です。

もう住んで30年近くになるわけですけども、時の流れというのは残酷なもので、その町の中でも、ずいぶんと景色が変わりました。

長く続いてた食堂が、住宅に変わっていたり、
ガソリンスタンドがペットショップに変わっていたり、

「●●ショッピングセンター」といった地域名+ショッピングセンターという名のスーパーマーケットは介護施設に変わっています。

時が流れれば、ものごとは変わっていくのは摂理なのですが、すこしずつ自分が生きてきた時代の思い出失われていくというのは、切ないものです。

もう、だんだんと、なにがそこにあったのか、ということを思い出せなくなっていきます。

その一つに、こじんまりとした飲食店があるのです。
そこには、6歳かそれくらいの頃に一回だけ行ったことがあります。
笑福亭とか、来来亭とか、そういう、なんとか亭という名前でした。

建物の外観は洋風で、内装は居酒屋風のカウンターと座敷という、和洋折衷スタイル。いや、おしゃれに言い過ぎました。なんとなくあべこべな印象を受けます。

とりたてて何を食べたかも覚えていないのだけれど、お通し的な感じで出てきた切り干し大根がありました。それがけっこう、おいしくて、たぶん、切り干し大根初体験でした。

それ以来、切り干し大根というワードには、とてもよい印象があります。

15年くらい前に、知らないうちにその、なんとか亭は閉店していました。うーん雰囲気からして、客が減ったというよりは、おそらく、商売をやめたという感じでしょう。

今も、その、なんとか亭の建物は存在しています。自宅兼店舗から、自宅に戻っただけでしょう。

そのお宅の前を通るたびに、昔一回だけ来たことあるんだよな、というのが頭をかすめます。ほとんど、仕事でのストレスを反芻したり、晩御飯なんだろうな、と考えているのですが。

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