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金柑をめぐる仁義なき戦い

玄関先に金柑の木を植えています。もう10年くらいになるかなと。
玄関が西向きなので、よく風水で「西に黄色は金運」と言われるのをなんとなく思い出して植えてみた次第。肝心の金運は、はて…?
まあ、食うには困らず暮らせているだけ良しとしましょう。

植えて翌年くらいから少しずつ実をつけるようになりました。それでも多い年で20個くらいなので、本当にささやかです。小さくコロンとした橙色の果実は見ているだけで可愛くて癒される思いがします。

春になると新芽が伸びて、少しグレイがかった淡い緑色の葉が出てきます。いいですね、新緑の季節。ほら、ひらひらとアゲハ蝶が飛んでいますね。

――またお前らか。

もれなくアゲハの幼虫がつくので、初夏から夏にかけては目が離せません。ちっちゃくて黒い幼齢幼虫を割りばしでつまみ出すのが最大のポイント。これは小さいうちに駆除しないと厄介です。これを見逃すといわゆるキャタピラーへと変貌を遂げ、見る者を大いに落胆させてくれます。ああ、何故にここまで気付かなかったのかと。ぎょっとする見た目に暫しビビります。
そして駆除は慎重に。私は薬剤を使わないので、周りの葉や枝もろとも切り取ります。そこで失敗して本尊に触れてしまうと「敵認定」をされてしまいヤツらはオレンジ色の角を出します。これがいやーな臭いを発するので更に気が滅入ります。そうしたら敗北感が半端ないです、はい。

そんなこんなでキャタピラーの襲撃を交わしつつ金柑は花をつけ、やがて小さな緑色の実をつけます。そこからが結構長いです。ほんのりと色づいた状態で年を越し、1月も下旬になってくるときれいな橙黄色になってきます。実っている姿を眺めるのもいいものですし、いつ収穫しようかとワクワクしながら待つ毎日。さて、そろそろかな。もうちょっとかな。

しかし金柑が熟すのを待っていたのは私だけではないのです。
いざ収穫!と玄関を開けて見てみたら、確かに実っていた筈の金柑がない!そういえばこのところ、近くでバサバサという雑な羽音がよく聞こえてたな……というわけで、のんびり待ってる間にカラスに先に取られました。

昨年は完敗。全て持っていかれました。春~夏はアゲハにやられ、収穫直前でカラスに掻っ攫われるという体たらく。これじゃあ金運上がるどころじゃありません(笑)今年こそはその戦いに勝つべく、虎視眈々とその時を狙っていました。

そして今日こそは!と思った日に無事収穫しました。なんせカラスは頭がいいので仕返しされちゃ適わんと、3個ほど残しておきました。作戦は成功し翌日にその3個は取られていました。腹いせなのか小松菜まで毟っていったようです。隣に植えてた春菊は無事なので、もしかして苦手なのかな。

無事に収穫できた金柑。ジャムにするには少なすぎるので、市販のものを買い足しました。宮崎のブランド金柑「たまたま」。粒が大きく苦みが少ないうえに甘く、生食も出来るエリート品種です。まずはよく洗って輪切りにし、種とヘタを取っていきます。

右が「たまたま」、左が自家栽培。

しょっぼ!!(笑)木についてる時は立派な大きさに見えたんですけどね。まあご愛嬌ということで、無事に庭で採れた金柑をジャムにしていきます。

一度だけ茹でこぼして、水気を切ってさらにざく切りにして煮ていきます。
金柑350gに対してグラニュー糖100gくらい。甘さひかえめにしてます。
煮詰まってきました。あと少し。
出来上がり!

金柑ジャム、美味しく仕上がりました。まあ殆ど市販の金柑なわけですが……1年間守り抜いて収穫した金柑を使えただけで満足です。
春になって新芽が出たらまた攻防戦が始まるわけですが、次のシーズンも負けないように、願わくばさらなる収穫を目指すわたしに幸あれ。

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