風邪だと思ったら、原発不明がんステージ4。

原発不明ガンとは簡単にいえば、発生元のガンがどこなのか分からないガンのことです。

根本がどこから発生したかが分からないため、治療も身体のどこにむけて抗がん剤治療をしていくか判断が難しいものです。

わたしはガンなんて、検査でいろいろ分かるものだと思っていました。しかし身体中をくまなく調べても、発生元がわからないのです。

はい、ガンですね!検査しましょう!ここから転移してますね。ここに向けた抗がん剤治療をしていきましょう!…なんて生優しいものではありません。ガンとはそういう恐ろしい一面を持っています。

がんとは、ある臓器で、正常な細胞が異常細胞へ変化し、無秩序に増えて浸潤・転移を起こし、臓器を越えて広がっていくものをいいます。特に皮膚・粘膜などの表面(上皮)から出たものを指します。
がんが発生した臓器を原発部位といい、そのがんを原発巣といいます。原発部位から離れた部位で進展したがんを転移巣といいます。がんの診断は、例えば胃からできたものを胃がんというように、原発部位にならって付けられます。胃にできたがんが肝臓に移った場合は、胃がんの肝転移と診断され、その転移巣は胃がんの性質を示します。
検査により原発部位が特定されることがほとんどですが、中には転移巣が先に見つかり、そこからの生検で病理組織学的にがんと診断はされても、原発部位がわからないものもあります。これを「原発不明がん」といいます。『国立がん研究センター がん情報サービス』より引用

母は上記に記載されている、転移巣が先に見つかったタイプでした。

きっかけは、喉の痛み。

もちろん風邪だと思い、内科に行きました。抗生物質を処方されましたが、なかなかよくならず、耳鼻科でも原因がわからず、最終的に異変を感じてくれたのは歯医者さんでした。

「大きな病院で一度検査してもらったほうがいい。」といわれ、検査した結果はステージ4です。

喉の痛みを感じ、風邪だと思ったら『がんステージ4』です。身体中に転移していました。ゲームのスタートボタンを押したら、レベル0でいきなりラスボス戦がはじまったんです。

父から電話で聞いたときのことを思い出すと、いまでも気持ちが悪くなります。

のちに、このとき既に発症から少なくとも10年は経過していると聞かされました。

『ガン』とは、こんなにも静かに大きくなるものもあるんです。どうして人間はガンっていう重大なトラブルがあるのに、なにも教えてくれないのか。血を吐かせるなり、尋常じゃない痛みで知らせるとか、もっとはやくもっとはやく、どうして教えてくれなかったんだろう。

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